一周忌法要や三回忌法要などの法要時、命日、お盆やお彼岸といった機会に訪れるお墓ですが、一年に数回しか訪れないため、汚れていることがありますよね。

お参りの当日にお墓掃除をするよりも、前もって掃除をしておきたい方もいらっしゃるでしょう。

また、お墓掃除をすることについて“お参りのため”に限定せず、故人への感謝の気持ちを込めてときどきお墓掃除をしたいものです。

そこで知っておきたいのがお墓掃除のやり方。知らず知らずのうちにタブーなことをしてしまってお墓を傷めないよう、しっかり確認しておきましょう。

今回は、お墓掃除のタイミングややり方、“やってはいけないこと”などを詳しくお話していきます。

 

お墓掃除のタイミングはいつがいい?

お墓に水をかけて掃除している画像

“石”でできた墓石は丈夫なイメージがありますが、野ざらしなのでどうしても汚れてしまいます。それでは、お墓掃除はいつ行うべきでしょうか。

お墓は汚れるもの

屋外にあるお墓には、ホコリや砂、鳥の糞、落ち葉、土混じりの雨水、虫の死骸などが付着します。それらを取り除かずに放っておくと変色・シミ・黒ずみ・カビ・苔へと変化してしまうのです。お墓は形状的に凹凸があることから、小さな溝に入り込んだ汚れは頑固にこびりついてしまうこともあります。

たとえば、木の下にあるお墓の場合なら、鳥の糞がよく付くかもしれませんし、落ちた葉が土と一緒になって墓石の表面にぴったり張り付くかもしれません。その後に雨が降ると落ち葉の下には水分が溜まり、それが墓石にカビやコケを発生させるリスクもあります。

また、お墓周辺に土があると雑草が生えます。育ち過ぎてお墓の方にまで雑草がよりかかり、その汚れも付くかもしれません。

お墓掃除はいつ行うべき?

お墓掃除には「1年に○回しなければならない」といった決まりがないので、ご自身の都合に合わせて行って問題ありません。

一般的には、お墓参りに向けてお墓の掃除をする人が多い傾向です。

墓地の環境によっても異なりますが、掃除の頻度が極端に少ないと汚れも蓄積し、その分、掃除の手間もかかってしまうでしょう。

たとえば「月1回程度で掃除をするケース」と「年に1回しか掃除をしないケース」なら、後者のお墓の方がひどい汚れです。

お墓に行くまでの距離やご自身のお仕事の都合などがあるかと思いますが、毎月1回くらい訪れて掃除ができるのが理想的といえるかもしれません。

故人やご先祖様の魂が宿っている場所として、常日頃から意識することで、「そろそろお墓が汚れているかも…」という気持ちになります。気になった頃がお掃除のタイミングと考えてはいかがでしょうか。

お墓掃除に適した時間帯はある?

お墓掃除の時間帯は、できれば午前中がよいと考えられています。

1日のなかでも早めの時間にスケジュールを組むことは、「お墓の掃除」を第一に優先している気持ちの表れであり、ご先祖様への敬意につながるからです。

とはいえ、遠方に住んでいる場合は移動に時間がかかるため、午前中の掃除は難しいかもしれません。電車や車で移動すると午後の時間帯になることもあるでしょう。午前中ではなく午後になってもお墓掃除の時間帯としてはまったく問題ありません。

ただし、日が沈んで暗くなってからのお墓掃除は避けましょう。通常、墓地には照明の設備が整っておらず、暗い墓地内を歩くときに転倒してケガをする可能性があるからです。また、お墓や周辺の汚れの度合いがしっかり見えず、せっかく掃除をしても実は汚れが取り切れないということも考えられます。

 

お墓掃除で“やってはいけない”ことがある?

NGのイメージ画像

お墓掃除でタブーとされていることをいくつかご紹介します。

墓石に食器用洗剤を使うこと

墓石の汚れがひどくなければ、通常は水洗いで十分に綺麗になりますが、カビやコケなど頑固な汚れがあると洗剤を使いたくなりますよね。しかし、食器用の洗剤を使うのはやめましょう。

キッチンで毎日のように使う中性洗剤は食器に使えるので、墓石という素材にも優しそうな印象を持つかもしれません。けれども、実際はシミを発生させるなどして、墓石を傷めるリスクがあるため、食器用洗剤を使うことはNGです。

水だけで落ちない“頑固な汚れ”が墓石に付着していた場合は、歯ブラシなどで優しく擦ると取れるケースもあります。

それでも除去できないなら、市販の「墓石用」の洗剤を使いましょう。

タワシなど硬いもので洗うこと

昔は単なる石のような墓石が多かったかもしれませんが、最近は鏡面仕上げの輝きのある墓石も増えていますよね。

そういった加工がされた墓石を、タワシなどの硬いものでこすると、表面を傷つけることになります。

基本的には、柔らかなスポンジやタオルなどの布で優しく掃除をしましょう。

また、使い古しの雑巾やスポンジなど既に汚れているものを使うと、余計に墓石が汚れることもあるため注意が必要です。

お酒など“水以外”の液体を墓石にかけること

お墓に行くと、故人に関する懐かしい思い出が溢れてきますよね。

「お酒が好きだったな」「このジュースをよく飲んでいた…」など、お酒やジュースを墓石に直接かけてしまう方がたまにいます。

こちらも食器用洗剤と同じように、墓石にはNGな液体です。

アルコールは墓石にシミをもたらす可能性があり、ジュースはシミ、ベタベタ汚れの原因になります。またジュースの甘みは、蟻などの虫を寄せ付けることにも繋がります。

故人にお酒やジュースを飲んでもらいたいという気持ちになったときは、綺麗にお掃除した後に墓前に缶や瓶のままお供えしてみましょう。

 

お墓掃除の一般的なやり方

お墓掃除をする夫婦

お墓掃除の一般的なやり方について説明していきます。お墓掃除には以下の道具を持参することをおすすめします。

【準備する道具】

    • 軍手
    • 炊事用ゴム手袋
    • ホウキ・ちり取り
    • ゴミ袋
    • スポンジ・タオル
    • 歯ブラシ・筆
    • ビニール袋

 

お墓表面のホコリを取る

お墓に到着したら、まずはホウキ等を使ってゴミや落ち葉を取り除きましょう。初めに水で濡らしてしまうとホコリや落ち葉が張り付き、取りづらくなります。

前回のお墓参りでお供えした花が枯れた状態で残っていたら取り除きましょう。花筒の中に泥が溜まっていることもあります。

また、墓石に刻まれた文字のなかに泥や苔が蓄積しているケースも多くあります。

このような細かい部分の汚れを取り除くためには、筆や刷毛、歯ブラシなどを使うと良いでしょう。100円均一で買えるので、お墓掃除用に準備しておくことをおすすめします。

お墓の周辺に雑草があれば取る

お墓周辺に雑草が生い茂っていたら取り除きましょう。

素手ではなく、軍手や使い捨ての手袋を使うことをおすすめします。雑草には小さな虫や動物の糞尿がついていることがあり、それらが手に付くとカユミが出たりやカブレてしまったりするだけでなく、感染症にかかってしまう可能性があるからです。小さなトゲが手に刺さって出血する場合もあります。

取り除いた雑草はゴミ袋に入れて持ち帰るか、墓地のゴミ捨て場に捨てて処分します。隣の墓地や通路など、自分の墓地以外のところに放置するのはマナーに反する行為ですから止めましょう。

墓石の水洗い

お墓掃除のやり方でポイントとなるのが水洗いです。

汚れを取り除こうと墓石の上からバケツでバーッと浴びせるようなことはせず、タオルやスポンジに水を含ませて洗うことをおすすめします。

濡れたままだと汚れが付着しやすいうえに、カビも発生しやすいため、最後はタオルで拭いて水分を取り除きましょう。

 

まとめ

今回は、一般的なお墓掃除のやり方や、やってはいけないポイントをお伝えしました。

お墓参りやお墓掃除は、ひとりひとりの故人への想いや墓地までの距離、宗派などによってさまざまな考え方があるでしょう。とはいえ、お墓参りの際に泥や苔がついた墓石を見ると悲しい気持ちになりますよね。故人が眠っている大切な場所ですから、できるだけ綺麗に保つことが敬意の表れともいえます。

大切な供養を心地良い環境で行うには、定期的なお墓掃除が重要です。

屋根のない屋外にあるお墓に汚れがついてしまうのは避けられないことですが、故人にとっては家のような場所ですから、できるだけ“お墓を綺麗に保つ”という意識を持つことが、ご先祖様への供養につながるのではないでしょうか。

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