家族が亡くなったのに仏壇がない場合、「いつまでに購入すべきか」という疑問を持つ方もいらっしゃるでしょう。葬儀と違って、仏壇購入のタイミングは分かりづらいですよね。

 

仏壇は、四十九日法要、もしくは一周忌法要までに合わせて購入する方も多い傾向にあります。

 

また、仏壇には様々な素材や見た目、サイズのものがあり、それぞれ価格帯も異なります。宗派で必要な仏具の違いに注意し、置く場所なども考えて慎重に買いたいものです。

 

今回は、仏壇の意味について触れながら、仏壇購入のポイントを詳しくお伝えしていきます。

 

 

仏教における「仏壇」の意味とは

灯篭が灯っている仏壇の画像

家族が亡くなった後、生きていた頃の思い出を振り返りながら、日常的に感謝の気持ちを伝え続けたいですよね。そんなときに必要なのが仏壇です。

 

仏壇は、お住まいのなかにおける小さな“お寺”のような存在。「お供えものをあげる」「日々の出来事を報告する」などの場となり、故人をいつまでも身近に感じることができるでしょう。

 

宗派によって思想は異なりますが、お寺の中心には祈りの対象となる「本尊」が安置されています。寺院をミニチュアのようにし、家庭でも礼拝や供養を行えるようにしたのが仏壇です。

 

仏壇には各宗派の本尊様をお祀りし、掛け軸や仏像、位牌、過去帳などを置きます。仏壇があることで先祖に手を合わせて「祈る」という行為が身近になり、故人へのご供養がしやすくなるのではないでしょうか。

 

実際、仏壇の前に座ると気持ちが穏やかになるのを実感する方も多いです。本尊が祀られた仏壇により、亡くなった人がそこにいるような雰囲気さえ感じ、自然と亡き家族への思いが溢れる場にもなります。

 

近年は仏壇のないお住まいも多く、故人を偲ぶ形はさまざまです。しかし、仏壇を置くことによって、先祖に対する感謝の気持ち、そして亡くなった方が自分を見守ってくれているという絆も感じることができるのかもしれませんね。

 

 

仏壇を購入するタイミングはいつがいい?

家族が亡くなった直後から葬儀が終わるまでは、親戚や知人への連絡、葬儀社や寺院との打ち合わせ、葬儀の準備、葬儀後の手続きに追われて本当に忙しいです。

 

特に、喪主として葬儀を仕切ると「葬儀をやり遂げる」という責任感から気が張っていることも多いのではないでしょうか。

 

その後、次第に手続きが減って落ち着きを取り戻した頃、心に穴があいたような悲しい気持ちがこみあげてくる方もいらっしゃるかもしれませんね。

 

四十九日までは遺骨や位牌を「後飾り祭壇」に安置して、話しかけたりお供え物を供えたりできますが、一般的に四十九日を過ぎたは後は、後飾り祭壇を片付けて、仏壇に位牌などを祀ります。ですから、仏壇を持っていなければ、故人を偲ぶために購入したいと思う方も多いでしょう。ただ、いつ買えばいいのか迷いますよね。

 

一般的には四十九日などのタイミングまでに購入する方が多い傾向です。

 

しかし、仏壇の購入時期には決まりがないので、「生前に仏壇を購入する方」「新築に合わせて仏間を設けて仏壇を購入する方」などさまざまです。

 

生前に仏壇を購入することに対し、「仏がいないのに仏壇だけ購入すると縁起が悪い」という考えもあるようです。

 

ただし、これはあくまでも迷信であり、生前に購入するかどうかは家族とも話し合っていきたいものですね。

 

ちなみに、「お墓」は終活の一環として生前に購入する方もいます。

 

また、仏壇は、一度購入すると長く使うものです。「四十九日までに急いで買わないといけない」「大きな方がいい」と焦って購入すると後悔するケースもあります。

 

もし、気持ちに余裕がないときは、「四十九日」はあくまでも目安と考え、一周忌法要くらいまでにじっくり考えて購入しましょう。

 

 

仏壇の種類

線香を供えた仏壇の画像

仏壇には、素材や装飾が異なるさまざまな種類があります。安置する場所や、「どのくらいの大きさの仏壇が欲しいか」などによって選ぶべき仏壇も変わってくるでしょう。

 

 

金仏壇(塗り仏壇)

檜や杉といった素材に彫刻などを施し、内部を金箔の煌びやかな雰囲気で立派に仕上げるのが金仏壇です。高級感のある仏壇で、塗り仏壇ともいわれています。

 

唐木仏壇

紫檀や黒檀などの銘木から製作されるのが唐木仏壇で、木目の美しさが活かされているのが特徴です。

 

家具調仏壇(モダン仏壇)

家具調仏壇は、近年増えた洋風のお住まいにもマッチするデザインの仏壇です。ウォールナットなどの天然木の外観ですから、仏壇の扉を閉めるとほかのインテリアにかなり馴染みます。

 

 

 

仏壇を購入するときのポイント

次は、仏壇を購入するときに意識したいポイントについてご紹介します。

 

①大きさは置く場所を考えて選ぶ

仏壇は、お住まいのどこに置くかによって選ぶべきサイズが変わってきます。

 

あまり深く考えず大きなサイズの仏壇を買ったところ、想像以上に圧迫感があって困ったという失敗談もあります。

 

昔は多くのお住まいで「仏間」が存在していたので、置く場所には困らずに大きなサイズの仏壇を購入する方も多かったものです。でも、近年のお家にはあまり見られません。

 

場所の問題から、家具調のタイプを購入する方も多くなっています。置く場所を想定してサイズを測っておくことが大事です。

 

また、注意したいのは「扉は開く」という点。壁に近過ぎて扉の開閉が難しくならないように慎重に考えてみてくださいね。

 

②まずは予算を決めておく

仏壇を購入するときは、はじめに予算を決めておきましょう。ある程度の予算がイメージできないと、選択肢も絞りづらいからです。

 

仏壇は、以下の違いによって価格に差が生じます。

    • 日本製か海外製か
    • 材質の違い
    • サイズ
  • 量産品か特注品か

また、注意したいのは、仏壇を購入すると「仏具も必要」という点です。インターネットを通じてリーズナブルに購入できるケースもありますが、後悔のないようにきちんとしたものを選びたいという方も多いでしょう。

 

位牌やご本尊、おりんや三具足、物販、吊灯籠、経机、過去帳、お経本、線香差など、宗派によって「揃えるべきもの」「あるとよいもの」が異なります。素材や大きさによって価格も変わってくるでしょう。仏具を全部揃えると想像以上に高いというケースも少なくありません。

 

故人を偲ぶときに大切な場所となるため、仏壇+仏具の予算を考えながら選びましょう。

 

また、宗派によってそろえるべき仏具も異なるため、イメージを掴むために、仏具店に足を運んでみるのもおすすめです。

 

③ご家族で“仏壇”について考えてみる

近年の家には、仏壇を置くための部屋がないケースが増えています。そこで、リビングに置くような家具調の仏壇をお考えになる方もいらっしゃるでしょう。

 

ただ、リビングは家族皆が集う場所ですから、一人の方が勝手に購入したところ、置く場所の問題などで喧嘩になるのは避けたいですよね。

 

「どこに置くか」「どのくらいの金額のものを購入するか」など、そこにお住まいの家族みんなが関係することなので、じっくり話し合うことも大切です。

 

 

仏壇を置く場所の注意点

スーツ姿で人差し指を立てる男性の画像

次に、仏壇を置く場所の注意ポイントをご紹介します。

 

日当たりの良い場所は避けたい

仏壇は、木材に彫刻や金箔を施した伝統的で繊細な工芸です。素材が傷まないようにするのはもちろん、仏具や花、お菓子などのお供え物を置くことも配慮して置き場所を決めましょう。

 

近年の住宅事情から安置する場所が制限されるかもしれませんが、「日当たりの良い場所」「湿気が溜まりやすい場所」は特に傷みやすいため避けて、仏壇が長持ちするようにしましょう。

 

神棚とは向かい合わないように

神棚と仏壇を向かい合うように配置するのはよくないとされています。

 

というのも、神棚を拝むときには仏壇にお尻を向け、逆に仏壇を拝むときには神棚にお尻戸向ける…という姿勢になってしまうからです。

 

仏壇を置く方角には特に決まりはない

昔のように仏間がないため、どちら向きに仏壇を配置すればいいか迷いますよね。

 

仏教には、「西方浄土の考えで東向きにおくケース」や「前方を南・背面を北に向けるケース」など、さまざまな説があります。

 

基本的に、仏様はどちらの向きにもいますので、「こちらを向いたからよくない」という方角はありません。

 

ただし、宗派によってはおすすめの向きがあるようです。

 

 

 

まとめ

今回は、仏壇購入についてお話しました。

 

仏壇は、亡き人やご先祖様に対する感謝の気持ちを伝えられる場所。仏壇の前に座ることで故人との繋がりを実感し、気持ちが落ち着く方も多いのでしょう。

 

仏壇というと昔ながらの豪華で大きなサイズ感をイメージする方もいるかもしれませんが、今や家具調のコンパクトなタイプ、モダンな仏壇もあって、リビングに置く方もいらっしゃいます。それぞれの住宅事情や予算に合ったものを選ぶことをおすすめします。

 

四十九日などの法要にあわせて仏壇を購入したい、もしくは一周忌までに購入したいという方もいるかと思います。当社では法要や法事などのご相談もお受けしています。ご質問やご不安などがあれば、お気軽にお問い合わせください。

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