急に喪主を務めることになると、多くの方は「通夜の挨拶で何を言えばいいの?」「失礼にならない?」と不安を感じますが、通夜の喪主挨拶は意外にシンプルです。
参列への感謝や故人の生前の様子、翌日の葬儀の案内を伝えることができれば問題は無く、立派なスピーチが必要なわけではありません。短くても心を込めて丁寧に話すことが大切です。
この記事では、挨拶のタイミング、基本構成、すぐに使える例文(標準・短文・家族葬)から、避けたい表現まで、喪主挨拶で迷いやすい点をまとめてご紹介します。喪主挨拶の不安を解消するために、どうぞお役立てください
目次
通夜の喪主挨拶は「報告+感謝+案内」のシンプル構成

通夜の喪主挨拶で参列者に伝えるべき内容は主に次の3つです。
- 参列のお礼
- 故人の生前の様子
- 通夜振る舞いや葬儀・告別式の予定
それぞれの項目も長く話す必要はありません。話したくないことは無理に話さず、手短にすませて問題ありません。
通夜における喪主挨拶の役割と意味
なぜ喪主が挨拶するのか
通夜は、参列者が故人と最後に向き合い、遺族に気持ちを寄せる時間です。喪主挨拶には「来てくださったことへの感謝を伝える」「遺族側の代表として場を整える」という役割があります。
また、参列者は「通夜振る舞いはある?」「告別式の時間は?」といった疑問を持つ場合があります。そのような疑問を解消することも、喪主挨拶の大切な役割です。
うまく話すより「ゆっくり・短く」が正解
大切な方を亡くして間がないにも関わらず、葬儀を執り行なわなければならない喪主という立場だからこそ、長く話す必要はありません。
また、言い間違いが気になるときは、紙にメモして読んでも問題ありません。現場でも、メモを手にして挨拶をされる喪主様は珍しくありません。
喪主挨拶を行う一般的なタイミング

通夜の流れは地域や式場によって多少違いますが、喪主挨拶が入ることが多いタイミングは次の3回です。
① 通夜式終了時
通夜が終了したタイミングで、喪主挨拶を行います。通夜振る舞いを行う場合は忘れずに案内しましょう。
② 通夜振る舞い開始時
通夜振る舞い(会食)がある場合、会食前に「ささやかですがお食事を用意しました」と案内します。
③ 通夜振る舞い終了時
会食の締めに「夜も更けて参りましたので…」とお開きを伝える挨拶です。
通夜振る舞いの挨拶について詳しくは関連記事、【文例あり】通夜振る舞いの挨拶|遺族・喪主・参列者の立場別マナーも解説をご参照ください。
喪主挨拶の基本構成
基本は4点セット(感謝/故人の報告/生前のお礼/案内)
通夜の喪主挨拶は、次の「4点セット」を押さえると形になります。
- 感謝:お忙しい中のご参列へのお礼
- 故人の報告:逝去の日時・簡単な状況
- 生前のお礼:故人が受けたご厚情へのお礼
- 案内:通夜振る舞いと翌日の葬儀・告別式の案内
上記は参列者が理解しやすく、喪主側も話しやすい喪主挨拶の流れです。
長くなり過ぎないための目安とは
喪主挨拶は30秒~2分程度を目安にするとよいでしょう。人が話を聞いていて「長い」と感じないのは30秒〜1分半くらいといわれているため、長くても2分程度に収めると、聞く側の負担が少なくすみます。緊張で早口になってしまうと参列者も聞きづらいため、ゆっくりと、聞き取りやすいスピードを意識すると良いでしょう
使いやすい「言い回し」とは
どんな挨拶をすればよいのかと不安を感じるのであれば、無難な言い回しを使うことをおすすめします。たとえば次のような表現は多くの葬儀で使える、一般的な言い回しです。
- 「本日はご多用のところ、ご参列いただき誠にありがとうございます」
- 「生前は格別のご厚情を賜り、厚く御礼申し上げます」
- 「おかげさまで滞りなく通夜の儀を終えることができました」
- 「明日の葬儀・告別式は○時よりここ○○斎場にて執り行います」
そのまま使える通夜の喪主挨拶例文

ここからは、コピペして自分用に少し直せば使える形の例文をご紹介します。故人との続柄、葬儀の日時、式場名を入れ替えてお使いいただける例文です。
標準的な挨拶
本日はご多用のところ、故人○○の通夜にご参列いただき、誠にありがとうございました。
故人は○月○日、○歳にて永眠いたしました。最期まで多くの方に支えていただき、本人も感謝していたことと思います。
故人が生前に賜りましたご厚情に対し、故人に代わりまして厚く御礼申し上げます。
なお、葬儀・告別式は明日○月○日○時より、ここ○○斎場にて執り行います。ご都合がよろしければ、ご会葬くださいますようお願い申し上げます。
本日は誠にありがとうございました。
短く済ませたい場合
本日はお忙しい中、故人○○の通夜にご参列いただき誠にありがとうございました。生前のご厚情に、故人に代わり御礼申し上げます。
葬儀・告別式は明日○時よりここ○○斎場にて執り行いますので、ご都合がよろしければご会葬いただければと存じます。
本日はありがとうございました。
家族葬・小規模な通夜の場合
本日はお越しいただきありがとうございます。家族中心の小さな通夜ではありますが、こうして故人○○を見送る時間を一緒に過ごしていただけたことに、心より感謝申し上げます。
明日の葬儀は○時よりここ○○斎場にて執り行います。本日は誠にありがとうございました。
喪主代理・喪主以外が挨拶する場合の例文
事情により喪主が挨拶できない場合、喪主代理(長男・長女など)や親族代表が挨拶することがあります。その場合、以下のように「喪主に代わって」を一言入れると、参列者も理解しやすくなります。
本日はご多用のところ、故人○○の通夜にご参列いただき誠にありがとうございます。喪主の○○に代わりまして、親族代表の私○○より御礼申し上げます。
なお、葬儀・告別式は明日○時よりここ○○斎場にて執り行いますので、ご都合がよろしければご会葬いただければと存じます。
本日は誠にありがとうございました。
「挨拶なし」にしたいときの考え方
状況によっては喪主挨拶を省略することもあります。特に家族葬や参列者が少ない場合、司会者(葬儀社スタッフ)が案内を代行し、喪主は焼香の場で軽く会釈して対応するケースもあります。
ただし、参列者が多い場合や遠方から来ている方が多い場合は、短い一言でも挨拶をすることで、感謝の気持ちが伝わりやすくなります。「挨拶をしない=失礼」と決めつける必要はありませんが、迷うときは30秒程度の短い挨拶をするのが無難です。
喪主挨拶で避けたほうがよい表現・NG例
通夜の喪主挨拶では、いわゆる忌み言葉(不幸が重なることを連想させる言葉など)を避けるのが一般的です。完璧に避けられなくても大問題になることは多くありませんが、知っておくと安心できます。
よくあるNGワード一覧
- 「重ね重ね」「たびたび」「次々」「再び」など(不幸の繰り返しを連想)
- 「続く」「また」「もう一度」など(不幸が続くことを連想)
- 直接的すぎる表現(例:「死ぬ」「死亡」など)
言い換え例(迷ったとき用)
- 「重ね重ねありがとうございます」→「本日はありがとうございます」
- 「たびたびご厚情を」→「生前は格別のご厚情を」
- 「死亡しました」→「永眠いたしました」
言い換えに迷ったら、無理に難しい言葉を選ぶより、短く丁寧な言葉に戻すのが安全です。
葬儀で使ってはいけない言葉については以下の記事でもご紹介していますので、気になる方はそちらもぜひご覧ください。
宗教・地域差への配慮

宗派で大きく変わるのは「作法」、挨拶は共通部分が多い
宗教・宗派によって、焼香の作法や読経の流れは違うことがあります。一方で、喪主挨拶の中身は「感謝」「お礼」「案内」という共通部分が大きく、特定宗派の専門用語を入れなくても成立します。
もし迷ったら、宗教色の強い言葉を避け、一般的な表現にしておけば安心です。
地域・式場の流れは葬儀社に確認
挨拶の回数やタイミングは、地域や会場、葬儀社の進行で変わります。事前の打ち合わせで「挨拶はいつ、何回必要ですか」と確認しておくと安心です。
よくある質問(Q&A)

Q1. 挨拶は暗記しないと失礼ですか?紙を見てもいい?
A. 暗記しなくて大丈夫です。メモを見ながら話す喪主も多く、失礼には当たりにくいです。むしろ、無理に暗記して言葉に詰まるより、短い原稿を落ち着いて読むほうが伝わりやすいでしょう。
Q2. 故人のエピソードは入れたほうがいい?
A. 必須ではありません。入れるなら一言、二言で十分です。通夜の挨拶は弔問への感謝と案内が主目的なので、長い思い出話にしなくても問題ありません。
Q3. 涙で話せなくなりそうです。どうしたらいいですか?
A. 短い文章を用意し、途中で言葉が詰まったら一呼吸おきましょう。スムーズに話せないからといって、気にする必要はありません。心配であれば司会者に「詰まったらフォローしてほしい」と事前に伝えておくとよいでしょう。どうしても挨拶が難しい場合、他の遺族や親族代表に代理をお願いすることも可能です。
Q4. 喪主が高齢・体調不良で挨拶できない場合は?
A. 喪主代理として親族代表が挨拶して問題ありません。「喪主に代わって」と一言添えると自然です。誰が話すかは家族で相談し、葬儀社にも共有しておきましょう。
Q5. 通夜と葬儀・告別式、挨拶は同じでいい?
A. 似ていて大丈夫ですが、通夜は「お礼+翌日の案内」が中心、葬儀・告別式は「参列へのお礼+故人への思い+出棺や今後の案内」など、場面に合わせて微調整する必要があります。
安心して当日を迎えるために
通夜の喪主挨拶は、うまく話すことが目的ではありません。参列してくれた方へ感謝を伝え、必要な案内を短く届けることができれば、それで十分です。
もし迷ったら、「短い例文」をそのままベースにしてもよいでしょう。立派でなくても丁寧に挨拶をすることで、感謝の気持ちが伝わります。
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