こんにちは。服部葬儀社 相談員の中道 剛です。

 

みなさんが葬儀式場などで参列の際に送った方の名前札を付けられたお花や果物などを見かけることがあると思います。

そのお花や果物などのことを「供花・供物」というのですが、ご自分がおくる立場になったとき、その種類や価格帯に幅があり選ぶ際に迷われる方も多いと思います。

今回は供花と供物を遺族へおくる意味やマナーをご紹介します

 

 

 

◆供花(きょうか)・供物(くもつ)とは

お葬式の際にご遺族におくるものとして、お花、お供物、灯篭などがあります。

お葬式に参列する機会が少ない方にとって身近なものではありませんので、改めてご紹介します。

 

・供花(きょうか)

葬儀の際に故人(遺族)におくるお花の総です。供花(くげ)と呼ぶ地域もあります。

葬儀の際の供花として、アレンジメントフラワーや生花スタンド(籠花と呼ぶ地域もあります)などがあります。

アレンジメントフラワーは葬儀後自宅にそのまま持ち帰る事ができますが、スタンド付きの生花は出棺後にスタンドごと回収されてしまいます。


アレンジメントフラワー

 


生花スタンド

 

 

・供物(くもつ)

一般的に果物や食品など、お供え物(おそなえもの)のことを供物といいます。

 

菓子店などで購入できる「菓子折り」を祭壇に置く場合もありますが、これについては「お供え物」と呼び、籠盛りやスタンド型のものに送り主の名札を付けるタイプを「供物」と呼んでいる地域が多いようです。

 

また、葬儀用として豪華に装飾されている場合も多く通常のお店での購入は難しいため、一般的に葬儀社や葬儀式場で注文します。小さなものから大きなものまで用意されているので、故人との関係性や式場の広さを加味して選ぶと良いでしょう。


果物盛 大(スタンド型)

 


果物盛 小(手籠型)

 


菓子盛

 

 

・灯籠(とうろう)

葬儀で使われる灯籠は、諸説ありますが亡くなった方が迷わないように光を灯す役割があるといわれています。

葬儀の際に祭壇に飾られ葬儀終了後も49日まで自宅に置く習慣があります。通常は同じものが二つ(対)で用意されているため、おくる際には同じものが複数遺族に届かないような配慮が必要です。

お盆に出す「盆提灯」とは形状が異なるため、あくまでも葬儀専用の灯籠です。


灯籠 (大)


灯籠 (小)(バブル灯)

 

 

◆供花・供物の意味は?

 

地域などによって供花や供物についての考え方は異なります。仏さまや故人のためにおくるという意味合いもあるのですが、現実的には遺族に対する弔意を表すために「贈る」という意味合いが大きいと考えられます。(※今回は一部を除き「おくる」と表現させていただいています。)

 

供物を祭壇に配し、多くの供花が飾られることで会場全体が華やかになり、遺族の悲しみに寄り添う気持ちが伝わるのではないでしょうか。

 

 

 

◆供花・供物をおくるタイミング

 

「供花・供物」を依頼する注文先には「お通夜は○月○日○○時の開式で、○○家(または喪主の氏名)です。」と伝えます。

 

お通夜開始時刻の2時間以上前には届くように手配することが理想ですので、余裕をもって依頼しましょう。

 

 

◆供花・供物の選び方とマナー

供花・供物の意味は分かったけど、私はいったい何をおくればいいの? と思われたのではないでしょうか。

地域によって異なるため明確な取り決めはありませんが、以下に目安をご紹介します。

 

・近い親族

スタンド生花でも問題ありませんが、祭壇近くに置かれるアレンジメントフラワーや供物をおすすめします。できれば大きいサイズを選ぶようにしましょう。

灯籠を出す場合は、同じものが重複しないよう他の親族と相談して調整します。

お孫さんなど年齢が低い方がおくる場合は、小さなアレンジメントフラワーまたは小さい灯籠などもおすすめです。

北海道での供花などは遺族(故人の家族)へおくるという考えが一般的です。そのため遺族が札に氏名を表記しての供花や供物はおくらない場合がほとんどです。

 

・親族

近い親族とほぼ同じですが、祭壇におけるお花はスペース的に限られるため、アレンジメントフラワーばかりにならないように配慮します。

 

・知人や友人、会社関係の場合

一般的には会場横に並ぶ生花スタンドをおすすめします。一つの札に4~5名以上の個人名を連名にする場合、マナー違反とまではいきませんが、印象が良くありません。複数のお花の注文で分けて3~4名程度の連名にするか、グループ名で出すことをおすすめします。

 

 

 

◆おくる際のマナーや注意点

 

仏教の葬儀の場合、肉や魚など殺生を連想させる供物はNGです。

供花については、一部の宗派を除いてお花の色や種類にルールがあるわけではないので、ほぼ自由に選ぶことができます。

 

キリスト教では、教会によっては名前札に十字(クロス)が必要であったり、名前札がそもそもNGだったりと注文の際には注意が必要です。

 

神道では、近年では色の入ったお花(供花)が増えつつありますが、白色が基本です。

 

また、仏教以外の葬儀の場合の供物は、線香やローソクのセット、灯籠を選ばないようにするのがマナーです。

 

このように、供花・供物のマナーは宗教や宗派によって異なるため、宗旨や宗派を把握しているような近い親族の葬儀であれば問題ありませんが、遠い親族や知人の葬儀となると知らず知らずにマナー違反をしてしまう可能性もあります。

その意味では、遺族に供花や供物の注文をお願いできる場合や葬儀式場に直接注文する場合は、先方が宗旨や宗派を把握しているので安心して依頼できると言えるでしょう。

 

 

 

◆供花や供物を注文する場合

 

服部葬儀社では、ホームページより注文を承っておりますので、供花や供物の写真を見ながら検討することが可能です。
参列時に会場で代金を支払う事も出来るので便利ですね。

https://hattorisougisya.com/order/

 

 

◆枕花(まくらばな)

供花の分類にはなりますが、おくるタイミングがお通夜に合わせてではなく、亡くなった直後の自宅や斎場でご安置されている故人の枕元に置くお花を枕花と呼びます。(※葬儀社が用意する札の無い「枕花」とは異なります。)

おくるタイミングは、亡くなったと知った時すぐに枕花が届くように手配をします。おくる日が通夜当日であれば、午前に届けることができなければ枕花をやめて葬儀式場に供花として出すようにしましょう。

近い親族や故人や遺族にとてもお世話になった方がおくる場合が多いようです。また、枕花をおくられたとしても葬儀式場には供花や供物として改めておくる事がマナーとされています。

 

お花の色は、色が入らない白色が基本です。特に暖色系は入らないように配慮しましょう。
葬儀社や葬儀に慣れたお花屋さんには「枕花をおくりたい」と伝える事で、マナーに即した枕花を作って届けてくれるはずです。

 

 

 

 

 

◆まとめ

 

・葬儀の際に故人(遺族)に対して葬儀を行う場所におくるものとして、供花・供物・灯篭などがあります。

・供花や供物は、仏さまや故人のためにおくる意味合いも強くありますが、現実的には遺族に対しての弔意の意味の方が強いといえます。

・仏教やキリスト教、神道などの宗旨によってはマナー違反となる場合があります。
宗旨や宗派を事前に知る事ができない場合など、葬儀式場に直接注文すると安心です。

 

 

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