こんにちは。服部葬儀社 相談員の横尾です。
慌ただしかったお葬式がおわり、その後は「納骨(のうこつ)」が控えています。
僧侶の読経がある場合や宗教者に入っていただく場合では、「納骨式」と呼ばれることがあります。お墓や納骨堂にお骨を納める行為全般を「納骨」とよびます。
近年の新型コロナウイルスの蔓延で、お葬式をはじめ、法要などでも多くの方が集まる事を控えている方が多くおりました。2021年11月現在では、いったん感染状況も終息しており、今まで控えていた方の法要なども急激に増えております。納骨に関しても49日法要の日に行う方も多いのでこちらも併せて増えている状況です。
今回は、納骨までのすべき準備と納骨に持参するものなどについてのお話しをします。つまり納骨場所を管理しているところですね。
目次
◆納骨場所と埋葬許可証
納骨する場所は、それぞれのご家庭によって異なり、いくつかの種類に大別されます。
例えば、墓地にあるお墓は、公営や民営をはじめ寺院の中にもあります。納骨堂などでは、寺院をはじめ民営(一部公営)があります。
納骨場所により手続きすべき窓口が変わります。例えば公営の場合は、ほとんどが市区町村の役所が管轄していますし、寺院の敷地にあるところは寺院に依頼することになり、民間で運営しているところは、その管理事務所で申請を行います。
納骨を行う際に一番重要な事は、お骨はもちろんの事、「埋葬許可証」が必要になるという事です。
「埋葬許可証」は、最終的に火葬場で発行されます。
また、一人の方のお骨を分けて納骨する場合は、別途「分骨証明書」が必要になります。
火葬終了時に火葬場より渡される「埋葬許可証」は、市区町村によって渡される方法は異なります。手渡しされる事もあるようですが、一般的に紛失を避けるためにお骨箱にいれられていることがほとんどです。
「埋葬許可証」の再発行は、時間と労力がかかります。もし見当たらないという方は、今一度お骨箱の中や葬儀時の書類をまず探すことをおすすめします。
◆納骨の日取りの決め方
・49日法要の日または49日以降が一般的です
「納骨式」として、49日などの法要とは別の日に納骨式の日を用意したうえで親族に来ていただく場合と会食・納骨を同日に行う場合があります。北海道の多くの地域では、49日の法要を行う日に納骨を行う事が多い傾向にあります。
例として、仏教の場合では49日の読経後に会食を行い、終了後にお墓に納骨に行くというものです。
ただし、建物の中にある納骨堂では問題ありませんが、雪のある北海道では、冬季間の霊園にある墓石は雪に埋まっていることがほとんどです。この場合は、49日には法要のみを行い、雪解けが終わった春以降に改めて納骨を行います。
・納骨の時期は決まっている?
いつまでに納骨を行わなければならない。と法律で決まっているわけではありません。
ご遺族のなかには、自宅にあったお骨を納骨することがつらいあまり、納骨したくはない。と考える方がおります。なかには何年も納骨せずに自宅に置いている方がいらっしゃるくらいです。
ある僧侶によると、悲しみのあまり納骨を遅らせることは、「すべきではない」と言います。
理由は、故人との別れがとても悲しい事は理解できるとしながらも、まずは悲しみから抜け出すことが重要としています。 納骨によって、悲しみの気持ちを切り替える事で、故人のいない新しい生活を始めるきっかけになるというものです。
・法要・納骨の日程決めの目安
先に、仏教であれば、49日法要と同じ日に納骨を行う場合が多いとお話をしましたが、その日程の決め方としては、49日の日に行うべきか、改めて別の日程にすべきか検討します。
親族が多く来ていただく場合は、参加の都合がつけやすい土日・祝日に設定することをおすすめしています。この場合は、49日を過ぎないように前倒しで日付を設定します。
また、神道の場合では「50日祭」です。50日目に行うか、土日・祝に行う場合は、仏教と同様に前倒しで日程を決めます。
無宗教での場合では、宗教家に依頼することも無いので喪主の一存で問題ありませんが、多数の方が、49日を目安にしている傾向があり、納骨に関しても季節の都合が無い限り49日の法要と一緒の日に納骨を行う方が多い傾向にあります。
法要会場に関しては、少人数の場合は自宅でも可能ですが、葬儀式場や会館を使用するなど人数に対して少し広さに余裕のある会場を選びましょう。
服部葬儀社でも法要、納骨に関してご相談を承っております。
・宗教者への依頼
日付の希望日が決まりましたら、仏教であれば、寺院に連絡を行って希望日を伝えます。
法要開始の時間は、49日法要で会食を伴う場合は、読経後に会食を行いますので、11時くらいが理想です。その後はお昼の会食としてつなぐことができます。僧侶が会食に同席する場合は会食の終了後に納骨を希望している旨を必ず伝えましょう。寺院の承諾を得ることにより、日程と日時は確定となります。
また、改めて別の日に納骨を行う場合は、同時に伝えて了承をいただき日程を決めておきましょう。
注意点としては、法要は、土日・祝に行う方が多く、寺院の都合も立て込んでいる可能性が高いため、考えていた日程や時間に依頼できない事もあります。早めに計画を行い寺院などの宗教者に依頼することをおすすめします。
・墓石業者への連絡
納骨がお墓の場合は、納骨の際にお墓の一部を開けることになり、終了後は動かした部分を密閉する為にコーキングする事もあります。お墓を建てる時に依頼した墓石業者(石材店)に納骨する日時を伝え立ち会ってもらいましょう。
また、墓石にこれから入る方のお名前なども追加することになるのでその相談も行いましょう。
墓石業者は納骨にも詳しくお骨の入れ方にも詳しいので心強い味方になります。
(お骨をお骨箱から出し納骨袋に移す際には頭のお骨を上にする慣習等があります)
◆納骨(納骨式)には親族も呼ぶ?
先に北海道では49日の法要後すぐに納骨に向かう事が多いとお話をしました。
かつては、法要に参加された方全員が終了後に手配したバスに乗り、納骨場所に向かうというものでした。もちろん、現在もそのようにする方もいらっしゃいます。
近年、多くなってきたパターンとしては、49日法要が終わり、参加されていた親族を見送った後に家族だけで納骨に向かうというものです。
もちろん、この場合は、親族の方々には丁寧に説明して理解を得ることが重要です。
もし、49日法要の日とは別に納骨を行う場合は、親族の中でも中心的な方に相談をすることをおすすめします。
地域毎の慣習や親族特有のルールがあるかもしれませんし、自分のきょうだいの納骨にはぜひ参加したいと思う親族もいるかもしれません。
特に49日法要や納骨を家族だけで行う事を検討している場合もしっかりと相談して、理解を得たうえで決めるべきでしょう。
◆納骨時の服装
49日法要後の納骨の場合は法要に着ていた服装と同じにします。
ちなみに49日法要で着る服装は、葬儀の時と同じ服装です。
お墓の場合は屋外になるので、コートが必要な季節は持参し、雨が降りそうな場合は傘を忘れないようにしましょう。ただし、これらは明るい色、華美なデザインは控えるようにします。
◆僧侶または宗教者へのお礼
法要と納骨を同じ日に行う場合でも僧侶や宗教者へ渡すお礼は、それぞれ別に包みます。
仏教の49日法要の場合の表書きは「お布施」を用意します。納骨の読経分は別の封筒で、表書きは「御礼」または「お布施」とします。
金額に関しては地域や寺院とのお付き合いにより異なりますが、目安として49日法要は、3~5万円。納骨は1~2万程度ですが、納骨場所が遠方だったりする場合は、お礼額を多めに入れるか、別途「御車代」を用意した方が良いでしょう。
不安な方は、寺院への依頼時に金額を聞くことは決して失礼ではありませんので、確認をしましょう。
◆納骨時に準備するもの
納骨場所によって少々異なります。
【納骨堂】
・お花
・お供え物
・お線香
・ろうそく
お線香とろうそくは、ご自分たちの納骨堂に用意していることと思います。残量が心配であれば持参しましょう。
【墓地・霊園のお墓】
屋外にあるお墓のお骨を入れる箇所に土が見えるタイプと石で囲まれたタイプがあります。
土が見えるタイプのお墓には、綿でできた納骨袋が必要になります。
・納骨袋(綿のさらし)
お墓の場合は、「お骨は土にかえる」として、お骨はお骨箱から納骨袋に移してお墓に納骨します。
かつては家族が納骨袋を縫っていましたが、近年では購入する方が多いようです。
素材はナイロンが混ざっているものは土にかえらないのでNGです。綿100%を選びましょう。
・お花、お供え物
仏壇用よりひとまわり量がある程度のお花がおすすめです。ただしお墓に花挿しがついていない場合は、花挿し、花瓶を忘れないようにしましょう。
・束のお線香(野外専用)
野外専用で束になっているお線香がおすすめです。室内で行うように1,2本のお線香は、野外では煙も見えにくいものです。こちらは、火がつけやすいタイプになっています。室内では使用不可です。
・ろうそく(野外専用をおすすめ)
火が強く消えにくいタイプです。こちらのタイプは室内での使用が不可の場合が多いです。
・ろうそくカバー
ろうそくが風で消えないようにする風よけです。ガラス製は重く割れることがあるのでプラスチック製がおすすめです。名称は「ホヤ」とも呼ばれます。
・ライター
一般的なチャッカマンのようなライターですが、風が強い野外でも消えにくいターボライターがおすすめです。
これらは、仏壇・仏具店で取り扱っている場合があります。様々なメーカーがあるので、店員さんに訪ねてみるとよいでしょう。
◆お墓での納骨時の注意点
・骨箱・骨壺の処分
骨箱から納骨袋に移した際に骨壺・骨箱が不要になります。各自治体や民間企業の霊園によって異なりますが、霊園で引き取り処分してくれるところもあります。
引き取りは可能か。有料か無料か。など霊園管理事務所へ事前に聞いてみる事をおすすめします。持ち帰った場合の処分は、別途お焚きあげを依頼することになります。
・お供え物
お墓でのマナーとして、お供えした食べ物や飲み物はカラスまたは野生動物に散らかされることも多いので、帰る際はその場にから持ち帰るようにしましょう。
◆まとめ(49日法要後の当日に納骨する場合の流れ)
・49日法要の希望日程と場所の希望を決める(納骨は当日行うか別日に行うか)
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・僧侶または宗教者に49日法要・納骨の日時・場所の希望を伝え承諾を得る
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・墓石を依頼した石材店に納骨の日時を伝え、来ていただけるのかの確認。名前を彫る場合は伝えます
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・参加者(親族など)に連絡。出欠をとる
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・法要の参加者全員が納骨に行く場合はバスが必要か検討する
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・法要と納骨で必要なものを忘れずに持参
一般的な流れは以上です。
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