こんにちは。服部葬儀社 相談員の中道 剛です。

 

北海道では、新型コロナウイルス感染拡大によって発令された緊急事態宣言が2021年9月末で解除され、2021年10月17日現在では感染者は全国的に落ち着いてきており、北海道でも札幌市のすすきの地区の賑わいが戻ってきているようです。

一方、少ないとはいえ、北海道では前の週の同じ曜日よりも感染者が増えている事や乾燥した冬にウイルスが蔓延しやすいという話もあるなか、今後も終息に向かうのかとても心配なところです。

 

前回は、「新型コロナウイルスで亡くなった方の葬儀~骨葬とは~」
新型コロナウイルス感染で亡くなった場合の対処方法や火葬後のお骨でのお葬式「骨葬」のお話をいたしました。今回は、火葬場の新型コロナウイルス陽性で亡くなった方の対応と感染拡大前とどのようなところが変わったのかお話しします。

◆北海道の火葬場は自治体で管理

北海道の火葬場の管理や運営は全て市町村または複数の市町村で組合を作り運営されており、民間の火葬業者はありません。火葬場の使用料はもちろん、ルールに関しても各自治体で独自に決められています。(本州の一部では民間で運営している火葬施設があります。)

つまり、火葬場によって新型コロナウイルスで亡くなった方の対応も各火葬場で異なっているという事です。

 

 

 

◆コロナウイルス感染症で亡くなった方との火葬場の対応

「新型コロナウイルスで亡くなった方の葬儀~骨葬とは~」では、新型コロナウイルス陽性で亡くなった場合の葬儀社への依頼方法や安置先の場所などを詳細にご紹介しましたが、その後の火葬場では感染症で亡くなった方の対応に違いがあるのでしょうか。

先に申し上げたとおり、火葬場によって大きな違いがありますが、下記が代表的な従来との変更点です。(2021年10月17日現在)

 

・新型コロナウイルス陽性者の火葬には専用時間帯を設ける

札幌の火葬場の一か所で、午後の時間帯をコロナ陽性者の火葬専用時間としています。
この専用時間帯に一般の方の火葬は行えません。

 

・新型コロナウイルス遺族親族の火葬場への立入りは基本禁止とする。

火葬場によって違いがあるとはいえ、多くの火葬場では家族や親族が火葬場に入る事は基本できません。
主な理由としては、陽性者の故人の家族または親族は濃厚接触者疑いがあるとされているからです。

火葬場に入る事ができないという事は、火葬後の収骨(親族でお骨を拾う)もできないという事です。遺族にとってはとてもつらいことですよね。

収骨には火葬場職員や葬儀社スタッフが代わりに収骨を行います。納められたお骨箱は、火葬場の駐車場で待っている遺族に渡されたり、葬儀社スタッフが自宅までお届けしたりなどの方法がとられています。

このように新型コロナウイルス感染症に対して、人の集まりやすい火葬場でクラスターがおきないように工夫がされているわけです。

 

 

 

◆一般利用の方に対しての火葬場対応

現在のコロナ禍によって通常利用される方に対しても火葬場の対応が変わってきています。

こちらは、火葬場の大きさや地域によって変わってきますし、厳格なルールとしている場合や、できるだけ協力していただきたい。など火葬場によって様々です。

 

・火葬場への入場制限

こちらも火葬場や控室の大きさによって異なっているようですが、

人数制限を行っているある火葬場では、遺族をはじめ、火葬場に入場する遺族・親族を10名迄と厳格に決められており、オーバーしてしまった場合は、お帰りいただく。または外で待っていただき、施設内にいる方と交代であれば良い。などかなり厳しいものです。

このように厳格な人数制限があると葬儀に参列された親族が多い場合は、全員で火葬場に行くことができません。そのため葬儀式場で火葬場から帰ってくるまで待つ方もいらっしゃいます。

一方、具体的な人数制限ではなく、できるだけ少人数でお願いします。といった火葬場もあります。余市町が管理している火葬場「余市町営斎場」では現在、人数制限は特に設けてはいませんが、「できるだけ少人数でお願いします。」としています。

2021年9月末に北海道の緊急事態宣言終了を機に、人数制限の人数が増える火葬場も出てきており、状況をみながらルールの変更を行っている火葬場もあります。

 

 

・収骨時の密集や密接を避ける

火葬が終わり遺族親族みんなでお骨を拾う「収骨」は、密になりやすい環境です。このため火葬場によっては、収骨室に入る人数制限を行う。または交代などを行って、密集にならないようにルール化している火葬場も多くあります。

 

・ポットと湯飲み茶わんの貸出資禁止

多くの火葬場の控室には、湯呑茶わんの貸し出しやお茶が入ったポットが置かれている場合があります。
感染リスクを少なくするという事もあり、これらのサービスも貸し出しを行わないなど、一時停止している火葬場も多くあります。
また、ゴミを置いて帰らずに持ち帰るようにルール化された火葬場もあります。

 

 

 

あとがき

現在、新型コロナウイルス感染症は、「指定感染症」という分類に属しており、ご存知の通り通常の生活でも様々な制限が設けられており、私たちの生活はもちろん、経済にも大きな悪影響をもたらしています。

現在は、全国的に感染者数は激減しており一時の危機からは脱してはおりますが、このまま終息へと向かっていくのか、ウイルスの感染力が高まるといわれている冬季間に再び感染拡大が始まってしまうのでしょうか。

服部葬儀社は、気を緩めずに感染対策を引き続き行い、特に人の集まりやすい葬儀式場では、さまざまな対策を行って皆さまが安心してお葬式を行える環境作りができるように努力してまいります。