こんにちは。服部葬儀社 相談員の横尾です。
2022年3月18日現在、新型コロナウイルスの感染症も落ち着きをみせており、延長していた「北海道におけるまん延防止等重点措置」も間もなく解除となります。感染症が広がりはじめてから、お葬式のスタイルも人の密集を避けるために家族葬が多くありましたが、最近では一般参列者が参列する一般葬も増えてきました。
このようななか、家族や親族のみで行う家族葬を終えてから知らせを行う場合やその手順、またはその知らせを受けた側での注意点はあるのでしょうか。
今回は、遺族として家族葬のお知らせは、いつ、どのようなかたちで行うべきか。また、葬儀終了の知らせを遺族から受けた場合は、弔問や自宅にお参りに行くべきなのでしょうか。遺族側と弔問側それぞれの視点でお話しいたします。
目次
◆参列者が限定された家族葬で行う理由とは?【遺族側】
近年家族葬で行う理由とは、どのような事があるのでしょうか。
実際にご葬儀をあげた方の事例を一部ご紹介します。
・コロナ禍であったので、家族と親族の少人数で行おうと考えた
・家族や親族のみで行う事は、故人の遺志だったから
・もともと少人数でお葬式をしようと決めていた
などの理由がありました。
しかしながら家族と近い親族のみで葬儀を行った場合では、亡くなったことを知人にも知られずにいるのは故人が可哀想。という声もあり、葬儀では家族中心に行うが、亡くなった事は知らせたい。という気持ちをお持ちの方は多いようです。
◆遺族として家族葬の案内を行う場合【遺族側】
遺族として家族・親族のみで葬儀を行う場合の案内の意図として「葬儀は家族と親族のみで行うため、その他の方は、葬儀には来ないでください」という意味です。
これらの内容を伝えるための案内のタイミングは、大きく分けて葬儀前と葬儀後の案内に分かれます。
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<葬儀前>に家族・親族のみで行う事をお知らせする
通夜・葬儀の場所や日時は、連絡を受けた方のみ参列することができます。つまりお知らせをしない事でどなたも来ることができない。という事です。
とはいえ、もし親交の深いお隣さん等のご近所さんがいる場合は、いつもと雰囲気が違う事は察しが付くものです。このような場合は、あえて家族のみでお葬式を行う旨をお知らせすることをおすすめします。
町内会が活発であったり、交流があったりする場合は、葬儀前に「訃報」として回覧板を回す習慣がある町内会もありますので、利用するのも良いかもしれません。その際は、町内会の班長や会長に相談するとよいでしょう。
お伝えする方法としての注意点としては、「家族葬で行います」というようなご案内の場合では、見た方が「結局参列して良いの?悪いの?」という事になりかねません。
家族葬というスタイルは、小規模のお葬式で一般の方が参列することがあることから混乱を招くおそれがあるので、どうしてほしいのかを明確にお伝えする必要があります。
例えば、「葬儀に関しては、家族・親族のみで執り行いますので、一般ご参列の皆様にはご遠慮いただいております。」というように誤解されないようにはっきりと伝えることが重要です。
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<葬儀後>に家族・親族のみで行った事をお知らせする
家族のお葬式で一般の方に参列をしていただきたくない場合には葬儀が終わるまで誰にもお伝えしない。というのも一つの手段ではあります。
冒頭にお話しした通り、ある遺族様のお言葉を借りると「亡くなったことを誰にも知らされずにそのまま忘れ去られるのは可哀想だし遺族としても寂しい。」と、このように考える方は多いのではないでしょうか。
葬儀後に亡くなったことをお知らせする手段としては
・新聞のおくやみ欄で「葬儀終了」として掲載する
・挨拶状を出す
・電話で事情を説明する
以上が代表的な周知方法ですが、簡単で一番広く周知できる方法は新聞のおくやみ欄でしょう。
葬儀後は「葬儀終了」掲載というかたちで依頼します。手続きとしては、葬儀の際に葬儀社に依頼することで新聞のおくやみ欄に掲載が可能です。
(詳細は過去ブログ 「新聞のおくやみ欄と家族葬。新聞掲載はする?しない?」をご覧ください。)
とても簡単で費用も一切かかりませんが、掲載できる項目は限られています。
もし、挨拶文などの任意の文章を入れたい場合は、新聞の死亡広告として有料の掲載も可能です。
挨拶状に関しては手書きであれば少々手間がかかりますが、受け取った方には気持ちが伝わるという方も多いようです。また、年賀状のやり取りをしている方へは「喪中はがき」でお知らせを行うという方法はありますが、季節的なものでいつでも送れるものではないので注意が必要です。
電話で亡くなったことをお伝えする事は決して失礼ではありません。特に訃報が伝わっていない親戚や親しかった知人・友人に直接お話しをする方が、はがきより気持ちが伝わりやすいようです。
◆香典の辞退は行うべき?【遺族側】
著名な方や芸能人の大規模なお別れの会などで「香典・供花などのお心遣いは辞退します」と耳にすることがあると思います。
このような香典などの辞退は一般の方には当てはまるのでしょうか?
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是非香典を渡したいという人もいます
一般の方の葬儀の現場でも、来られる方を気遣い「香典は受け取らない」と考える喪主さまもいらっしゃいます。
このような場合は、葬儀担当の私からは、「受け取る方と受け取らない方が出る事は良くないのでよほどの理由がない限り避けるべきと考えます」とお伝えします。
どのようなことかというと、香典を持ってきた方の中には「うちの家族も故人から何度も香典をいただいている。受け取らないといわれても困る」と実際には納得しない方も多くいらっしゃいます。根負けして喪主は受け取る事になりますが、香典返しや会葬礼状も準備をしていないので、喪主様が「やはり会葬礼状と香典返しを用意してください。」とおっしゃるという事もありました。
このようなやり取りの中で、喪主のいう通りに香典を渡さなかった別の方が「本当に香典を渡さなくても良いのだろうか」と混乱が起こってしまいます。
家族のみ、または、それに近い人数であれば香典は受け取らないとしても特に問題は起こりませんが、複数の親族や一般の方が参列する場合は、混乱や参列された方の気持ちに添えないなど問題が多く予想されるので、香典の受け取り拒否はお勧めできないのです。
◆葬儀後に訃報を知った場合【弔問側】
新聞のおくやみ欄の終了掲載や遺族からの連絡で、訃報を知った際に自宅にお悔みを伝えに行っても良いのでしょうか?
答えは、失礼にはあたりません。いくつかのパターンと注意点をみてみましょう。
ただし、遺族側から明らかに遠慮ではなく断られた場合には、何か事情があると考えて、伺うべきではありません。
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遺族から葬儀終了の連絡があった場合
遺族から直接連絡があった場合は、しっかりとお悔みをお伝えしましょう。
その際に弔問に行く旨が伝えられなかった場合は、改めて予定日を伝え弔問可能か確認するとよいでしょう。
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新聞のおくやみ欄に終了掲載がある場合
新聞のおくやみ欄で葬儀終了として掲載された場合は、特に連絡は必要ないと思われますが、弔問に行く方が遠方などで、不在だった場合を考慮して一度連絡を入れてから伺った方が良いかもしれません。
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人づてに聞いた場合
人づてに葬儀が終了したと知った場合は、誤った情報である可能性があるので注意が必要です。
特に親しい間柄でない場合や単なる興味本位で遺族に確認の連絡をすることは避け、弔問の意思がある場合は、遺族に連絡して弔問が可能かを含めて慎重に確認するようにしましょう。
◆自宅への弔問は短時間で済ませます【弔問側】
葬儀後の遺族はしばらくはとても忙しくお疲れの場合がほとんどです。
自分以外にも多くの方が弔問に来られるという事も考えて決して長居はいけません。
多くの自宅への訪問者で、「とても疲れてしまった」とお疲れになるご遺族はとても多いものです。
また、根掘り葉掘り質問することが無いように配慮しましょう。
◆弔問に伺う際の準備【弔問側】
葬儀が終わっているので、喪服などで訪問することは控えます。
とはいえ、明るすぎる色やデザインの服装は失礼にあたるので、落ち着きのある服装で伺うようにしましょう。
持参するものとして
・香典
通夜や葬儀に参列する時と同様に香典袋を使用しましょう。表書きは49日が経過していなければ「ご霊前」は、仏教以外でも基本は使用可能です。その他、仏教徒とわかっていれば「香典」をおすすめします。
・念珠(数珠)
仏教徒専用ですので、仏教以外である場合は使用しません。
◆まとめ
・葬儀を家族葬として、参列者を制限したとする場合では、葬儀前には一切知らせない方法とあえて「一般参列はご遠慮いただきます」などと事前に伝える方法があります。
・家族や近親者のみで葬儀を行い終了後もお知らせしない事は、故人が誰にも知らされずに忘れ去られてしまう。という事をとても寂しく思われる方は多くいらっしゃいます。
・葬儀が終わってからの家族が亡くなった事の周知には、新聞のおくやみ欄に「葬儀終了」として掲載する方法、お手紙やはがきでお知らせする方法、電話で事情を説明する方法などがあります。