一般的な葬儀ではよく行われている「弔辞」。弔辞という言葉は知っているものの、「誰に頼む?」「何人に頼めばいいの?」「頼むタイミングは?」など遺族側になると分からないことも多いかもしれません。
故人との大切な別れの日を不安なく過ごすため、いざという時に知っておきたい弔辞のマナーについて詳しくお伝えしていきます。
目次
弔辞とは
まずは、「弔辞とは何か?」について基本的なことを見ていきましょう。
故人に対するお別れの言葉
弔辞は、故人に向けた最後のお別れのメッセージです。通常は、家族や親族以外で、故人と親交が深かった参列者の代表が手紙に書いて読みます。
弔辞は、宗教などにとらわれることなく、頼まれた人が故人への思いを伝える場面です。
形式的な単なる文章ではなく、故人がそこにいて話しかけるような弔辞…。これは、故人との思い出がたくさんある、深い関わりがあった方にしかできないでしょう。それだけに、誰に頼むかもとても重要となってきます。
故人への想いが溢れた弔辞が読まれることで、参列した皆さん一人一人が故人を偲び、別れの悲しみを分かち合うことができるでしょう。
ご遺族様にとっても弔辞は大切なもの
故人と深い付き合いがあった人が読みあげる弔辞を聞くことで、故人の姿が頭に浮かび、悲しみや懐かしさが溢れてきたという経験を持つ方も多いでしょう。
人は生きていくうえでさまざまな人との関わりがあります。ご遺族様にとっては“家族”でも、周囲の人にとっては“親友”や“部下”だったはず。弔辞が読まれることで家族が知らない故人のエピソードを聞くこともできます。
今は亡き大切な家族がたくさんの方々に慕われていたと思うと心が温まりますよね。
「何年経ってもあの時の弔辞の言葉を思い出す」というような印象的なエピソードを聞けるのは、ご遺族様にとってもかけがえのない大切なものです。
弔辞は家族葬でも必須なの?
一般的な葬儀の流れでは弔辞は読まれる傾向ですが、参列者が家族中心の家族葬では弔辞を読む方がいないケースも多いでしょう。
そもそも家族葬は「家族だけでゆっくり故人を見送りたい」という式ですから、一般葬とは違っていても構いません。弔辞を読まなくても、故人とのお別れは可能です。
ただ、家族葬の形はさまざまで、家族以外に故人の友人にも参列してもらうケースもあるでしょう。その場合は、ご家族様が「弔辞を読んでもらいたい」という気持ちが強ければ、頼むのもよいでしょう。
弔辞は誰に頼むべきか
弔辞は家族以外の方が読むものですから「誰に頼むか」決めなければなりません。故人の普段の生活のなかから関わりの深い方を選ぶのが一般的です。
故人が会社勤務をしていた場合なら、上司や同僚などのなかから関係性が深かった方にお願いしましょう。役職を重視して親交があまりない上司に依頼すると、弔辞がありふれた文章になるケースもあるため避けたいものです。
その点では、共に長い時間を過ごしてきた仲の良い同僚の方に依頼する方が自然といえるでしょう。そのほか、友達にも依頼することをおすすめします。
故人が学生の場合は、幼馴染みや同級生のほか、先生にも頼むとよいかもしれません。
また、退職後しばらく経っている場合は、人との関わりが薄くなる方もいて誰に頼むか悩むこともあるでしょう。やはり、古くから付き合いのあった友人に頼むのが自然な流れです。
定年退職後に趣味を通じて親交が深まった方がいれば、お願いしてみてもよいでしょう。
通常は、遺族側から弔辞を頼むものですが、なかには「弔辞を読ませて欲しい」とご自分から申し出てくる方もいらっしゃいます。故人のことを想って言ってくださっているのですから、ご遺族様にとっても嬉しい気持ちになりますよね。
ほかに依頼している人の人数や故人との関係性を考えながら、喪主様が「読んで欲しい」と強く思ったときは立候補してくれた方に弔辞をお願いしてもいいでしょう。
弔辞の依頼でよくある疑問
ここで、弔辞に関するよくある質問をピックアップしてみました。
質問①:弔辞は何人に依頼すればいいですか?
葬儀の規模に合わせて弔辞を依頼する人数も異なってきますが、一般的には1人か2人、多くても3人程度です。
ただ、通常よりも参列人数が多く、“大規模な葬儀”といえるような場合は、弔辞を頼みたい方も増えるかもしれません。3~4人前後の方、もしくはそれ以上の方が弔辞を読むケースもあります。
しかし、弔辞は「読む方が故人とのエピソードを伝える場」でもあります。あまりにも弔辞を読む人数が多過ぎると、その内容が似通ってしまうことも。せっかくの弔辞なのに、人数が多過ぎて印象が薄れるのも残念なことですよね。
参列人数をふまえて、弔辞を依頼する人数を決めるのが望ましいですが、一般的には1~2人程度と想定しておくことをおすすめします。
質問②:弔辞を読んでもらうとき順番の決め方が分からない。失礼にあたる順番はありますか?
複数人に弔辞を頼む場合、順番を決めるのが難しいですよね。
弔辞を読むのに正しい順番があるわけではありません。
「故人との付き合いの深さで決めるケース」や「年齢順に読んでもらうケース」などがあるため、ご遺族様が自由にお決めになっても大丈夫です。悩まれたときは年齢順に読んでいただくのもよいでしょう。
また、会社の人から複数人弔辞を読んでもらうときは、社内の役職なども考慮することがあります。
質問③:弔辞はいつ依頼すればいいでしょうか?
依頼したいと思った人には、少しでも早く依頼しましょう。葬儀直前に依頼されても「準備期間が短い」と辞退されるかもしれないからです。
依頼された方が十分に文面を考えられるように、「この人に弔辞を受けて欲しい」という人がいたら、すぐにでも頼むことが大事です。
故人が亡くなってから葬儀までの時間は短いため、確実に受けてもらうには、直接電話でお願いするのがおすすめです。
「メールで依頼したら気づいてもらえなかった」「伝言を頼んだら本人に届かなかった」とならないように注意しましょう。
また、弔辞は故人への想いによって文章量も人によって異なります。思いのほか長文となってしまうと、ほかの方とのバランスや葬儀の流れにも影響が出てしまいます。あらかじめ葬儀社の方にも1人あたりの時間配分等について聞いておき、頼む方にも伝えておくことをおすすめします。
一般的には3分程度、長くても5分以内におさまるように弔辞を考えてもらいましょう。
質問④:弔辞をしてくださった人にはお礼をした方がいいのでしょうか?
生前、故人と親しくしていただいたことに加え、葬儀というお別れの儀式において「弔辞を読む」という大役をしてくださった方…と考えると、弔辞をしてくださった人にはお礼をするのがマナーといえるでしょう。
葬儀終了後早めに、お礼の品物を添えてお礼を伝えるご遺族様が多いようです。
「物よりも商品券の方が使い道もあっていいだろう」と思いがちですが、商品券は金券、現金のような感覚でとらえる方も多いでしょう。純粋に故人へのお別れの挨拶としてお読みくださっている方に対して、失礼にあたる可能性もあります。
もらった方がご家族で召し上がれるようなお菓子などが無難です。
また、本来は直接会ってお礼を伝えたいところですが、「遠方過ぎてお礼に伺うのは難しそう」「仕事の都合ですぐに時間を確保できない」というケースもあるでしょう。直接渡せないときは、宅配便などでも構いません。
弔辞を読んでくれたことへのお礼、ふだん知り得なかった故人とのエピソードを聞けたことへの喜びなど、お礼状を添えてお伝えましょう。
まとめ
弔辞は葬儀においてかなり重要な意味を持ちます。
弔辞を行うことで、ご家族や友人など周囲の方々が故人への想い・悲しみを共有してお別れができる葬儀につながります。
参列する人数が多い一般的な葬儀では弔辞は読まれるケースが多いです。ただ、家族葬は家族を中心に行うため、弔辞への決まりは特にありません。
亡くなってから葬儀までの時間は短く、弔辞を頼む方の選び方や依頼するタイミング、読んでもらう順番などについてお悩みになる方も少なくありません。服部葬儀社では、弔辞に関するご相談もお受けしています。
その他にも、お葬式に関するご不明点や悩み事などございましたら、どうぞお気軽にお問い合わせくださいませ。
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