こんにちは。服部葬儀社 相談員の横尾です。

お葬式を行う際の打ち合わせでは、短時間で多くの事柄を決める必要がありますが、何もわからない状態でゼロから検討するとなると時間がかかりますし、悲しみ深い状況にあるご家族にとって大きな負担となってしまいます。

今回はお葬式の打ち合わせ内容や、事前に準備しておくと良いこと等についてご紹介します。

一般的な葬儀打ち合わせ内容

参列・宿泊人数

葬儀に参列する人数や宿泊する人数を確認します。

参列者の人数によって適する式場の広さは異なり、適正人数を超える人が参列してしまうと、参列者の方々が不便な思いをされることもありますので、おおよその人数を予想しておく必要があります。

式場に宿泊する場合は寝具やアメニティを準備するため、宿泊人数についても確認します。

葬儀形式

参列人数を確認すると同時に葬儀形式を決定します。一般的に葬儀は以下の形式に大別されます。

一般葬

家族・親族・友人・知人・仕事関係者などが参列する、古くから行われている葬儀形式です。

家族葬

家族・親族など故人と近しい関係の方が参列する小規模なお葬式です。

直葬・火葬式

セレモニーや宗教儀礼を行わず、火葬のみを行うお葬式です。

一般葬は参列者が多いため、香典返しや会場使用料等が比較的高額となる傾向にありますが、葬儀後に自宅弔問を受ける数は少ないため、交友関係が広かった方等に向いている形式といえるでしょう。

一般葬と比べて小規模なお葬式となる家族葬は、参列者への対応が減るため故人様とゆっくり過ごすことができる葬儀形式です。ですが葬儀当日にお参りできなかった方が後日自宅弔問されることが少なくないので、交友関係が広かった方は個別対応が多くなり、かえって負担になる場合があります。

直葬・火葬式では祭壇を使わず、香典返しや通夜振る舞いの用意も必要ないため、一般葬や家族葬に比べて費用がかかりませんが、セレモニーや宗教儀礼を行わないため、見送った実感が持てない場合もあるようです。

式場

複数の式場を運営している葬儀社に葬儀を依頼する場合は、参列人数・宿泊人数・葬儀形式を踏まえて式場を選びます。自宅や火葬場からの距離、施設の雰囲気や使いやすさなどを考慮して、式場を選択する方が多いようです。

日程

ご遺族のご都合や葬儀式場の空き状況、僧侶等宗教者のご予定をすり合わせて日時を決定します。予約制の火葬場を使用する場合、火葬場の空き状況も確認します。遠方から訪れる親族などがいる場合、移動時間にも配慮する必要があります。

宗教

仏式、神式、キリスト教式など、お葬式を行う宗教・宗派を確認します。

新聞掲載

新聞のお悔やみ欄への掲載、不掲載を決めます。家族葬を行う場合は不掲載とするか、葬儀終了後に掲載することが一般的です。

遺影写真

故人の写真や写真データをもとに遺影を作成します。遺影写真は引き伸ばして作成するため、顔が小さく写っている写真を使用するとぼやけた仕上がりになってしまいます。なるべく顔が大きく写っている写真を使用すると良いでしょう。

湯灌・納棺

ご遺体を清める「湯灌」は葬儀プランに含まれている場合もあれば、オプションサービスとなっている場合もあります。プランに含まれていなければ、オプションとして利用するか、湯灌は行わずに納棺を行います。湯灌・納棺は、ご自宅安置であればご自宅で行い、式場安置であれば式場で行うことが一般的です。

葬儀プラン

多くの葬儀社では、祭壇のサイズやサービス内容が異なる複数の葬儀プランを用意しています。葬儀を行う際、プランに含まれていないサービスが必要となる場合もあるので、内容をよく確認して検討しましょう。

会葬品

会葬礼状・香典返し・引き物等、会葬品の種類や数量を決めます。香典返しや引き物には、のりやお茶など飲んだり食べたりするとなくなるものや、タオルなど消耗サイクルが早い「消え物」が適しています。

お食事

葬儀で用意するお食事は以下の通りですそれぞれ数量やメニューを決定します。

通夜後の夕食

通夜式終了後に「通夜振る舞い」と呼ばれる会食を行います。北海道では親族のみが参加することが一般的です。

告別式当日の朝食

通夜式終了後、式場に宿泊する親族などには、告別式当日の朝食を用意します。

火葬場で摂る昼食

火葬場に同行する方々が火葬場で食べるお弁当を用意します。

忌中引き料理

還骨法要まで参列された方にお渡しするお持ち帰り用のお料理です。

以上が一般的な葬儀の打ち合わせ内容となります。続いて、事前に準備しておくと良いことをご紹介します。

事前に準備しておくこと

喪主を決める

喪主は一般的に、配偶者や子どもなど故人と関係性が深い方が務めます。事前準備の段階から喪主が中心となって、葬儀に関わる物事を決めていくことになります。

お声がけする範囲を検討する

一般葬であれば親族、友人、仕事関係者など幅広くお知らせして葬儀を行いますが、家族葬の場合は家族や親族のみを招いて葬儀を行うことが一般的です。どのような葬儀を行うか事前に検討してお声がけが必要な範囲を決めておくと、もしもの時に一から考える必要がなく、家族の負担が軽減します。

安置場所の確認

ご遺体は、逝去後24時間が経過してから火葬可能となるため、その間安置する場所が必要となります。ご自宅で安置することが可能かどうか確認し、難しければ式場安置(葬儀式場でご遺体を安置すること)を検討しましょう。

遺影写真を選ぶ

遺影写真は葬儀後もご自宅に飾る方が多いため、長く見続けることになりますが、葬儀が決まってから写真を探すとなると時間が短く、良い写真が見つけられない可能性もあります。顔が大きく写っていて、人柄が伝わる写真を事前に選んでおくことで、故人を偲ぶことができる良い遺影を作成することができます。

葬儀社を決める

式場の見学、事前相談の利用、見積り依頼などを行い、葬儀を依頼する葬儀社を決めておくと、万が一の時に迷うことなく連絡することができます。やり直すことができない大切なお別れの時間に後悔を残さないためにも、スタッフの対応や料金の目安などを知っておくことが大切です。式場を見学する際は以下のポイントを押さえておくことをおすすめします。

〈式場の収容人数〉
近年は新型コロナウイルスの影響もあり葬儀規模が縮小しています。葬儀を行う際にお声がけする範囲を想定し、予想される参列人数に対応可能かどうか、広さは適しているかどうか確認しておくと良いでしょう。

〈交通アクセスと駐車場〉
式場に行くための交通手段はどのようなものがあるのか、最寄り駅からどれくらい距離があるのか等、交通アクセスについても確認しておきましょう。駐車場の収容台数についても、予想参列人数に対して十分な駐車スペースを確保できるかどうか確認しましょう。また積雪地域では、冬場は駐車スペースが狭くなる可能性があり、注意が必要となります。

〈トイレ・浴室〉
葬儀には高齢の方や車椅子を使われる方が参列することも多いため、現在ではバリアフリーのトイレや浴室を採用している施設も珍しくありません。 高齢の方が葬儀に参列する場合、トイレや浴室の使いやすさも確認しておきましょう。

まとめ

・葬儀の打ち合わせでは人数、葬儀形式、日時など多くの事柄について決定する必要があります。

・喪主、葬儀の際に声を掛ける範囲、葬儀社、安置場所、遺影写真については、事前に検討しておくことをおすすめします。