葬儀における“出棺”は、誰もが何度も耳にしている言葉。棺が霊柩車に運ばれるシーンが思い浮かぶ方も多いのではないでしょうか。

ただ、一連の詳しい流れや言葉の意味合い、マナー面は詳しく知らない方もいるかもしれません。

遺族側になったとき、参列者側になったときのどちらも「出棺への参列」はとても大切なものです。

そこで、今回は葬儀の出棺や火葬までの流れや、マナーに関する基礎的な知識をお伝えしていきます。

出棺とは?意味を再確認して参列しよう

「出棺」について、言葉だけ何となく知っている方も、今一度、出棺について再確認してみると違った気持ちで立ち会うことができるかもしれません。

それでは、「出棺」の意味を見ていきましょう。

出棺は故人との“最後”の対面

出棺は火葬される前に、「棺の蓋を閉める」「遺体の入った棺を火葬場まで運ぶ」などの流れのことです。

その後、火葬されてお骨になるため、故人の姿を見られるのはこれが最後です。遺骨になってしまえば、故人のお姿は写真や自分の思い出だけしかありません。

最後の対面の場として、心して参列したいものです。

出棺に参列するときのマナー

前述した通り出棺は、故人に故人に向き合う最後の時間です。故人に対してはもちろんのこと、遺族に対しても失礼がないように“儀式に参列するマナー”を守らなければなりません。

基本的なマナーは、喪服を着ることです。大事な儀式ですから、清潔感のある喪服を着用、穏やかな気持ちで故人を送り出せるようにしましょう。

故人を霊柩車に乗せて見送るシーンが出棺の一連の流れにはあります。

季節や天候次第では「暑くて上着を脱ぎたい」「寒くてコートを着たい」などもあるかもしれませんが、霊柩車に乗った故人を見送る立ち会いの時間帯は「喪服の上着の着用」や「防寒着を脱ぐ」ことを心がけたいものです。

また、雨降りの日は傘をさしていても問題ないのですが、基本的には装飾のない黒系の傘、もしくはビニール傘を選ぶようにしましょう。

 

出棺から火葬までの流れ

スケッチブックに描かれた1・2・3の数字

次に、一般的な出棺の流れについて簡単にご説明します。

  1. 故人を花で飾る「別れ花」
  2. 棺のふたにくぎ打ちをする
  3. 棺を車に乗せる
  4. 喪主挨拶をする
  5. 火葬場まで移動する
  6. 火葬
  7. 骨上げをする

一つずつ順番に見ていきましょう。

1.故人を花で飾る「別れ花」

お棺に眠る故人の周りに生花を飾る“別れ花”は、家族、親族といった身近な人から順番に行います。

自分の順番が来たら、故人への想いを込めながら飾ってあげてくださいね。

2.棺のふたにくぎ打ちをする

生花や副葬品(手紙や思い出の品)で故人を飾った後は、棺のふたにくぎ打ちをします。

「蓋が外れないように。死体が蘇らないように。“死”について封印する」という意味があります。

三途の川原の石の意味を持つ“小石”を使うくぎ打ちですが、地域性もあって「もともと行われない」「近年行わないようになった」などさまざまです。

通常、くぎの打ち方や順番などは葬儀社のスタッフからの指示があるので、それに従って進めましょう。

通常は、喪主や家族、親族と深い繋がりを持つ順でくぎ打ちが行われていきます。

基本的には、コンコンと軽く叩くようなイメージですが、最後の仕上げとして葬儀社のスタッフにより釘がしっかりと打ちこまれることになります。

くぎ打ちは、故人の姿を目に焼き付ける最後の時間を締めくくるものであり、思いを断ち切る意味も込められています。

3.棺を車に乗せる

霊柩車に棺をのせます。棺を落とさないように運ばなければいけないため、通常は、親族、友人など主に男性5~6人で運ぶことになります。

霊柩車には、遺体の足を前にして車にのせなければなりません。これは、故人とはここでお別れ、家に帰ってこないようにという意味が込められているのです。

4.喪主挨拶をする

霊柩車に故人を乗せた後、簡単に喪主挨拶が行われます。

遺影、位牌をそれぞれ分担して持ち、遺族が横一列に並ぶように立ちます。参列してくださった方へ、故人の想いも含めながらの挨拶のため、たくさん話したいことがあるかもしれません。

けれども、出棺前の挨拶は屋外で行われます。季節や天候によっては、暑さ・寒さなども感じやすい状態ですから、できるだけ手短に済ませるようにしましょう。

5.火葬場まで移動する

火葬場には、通常、喪主、家族、親族などが同行します。家族同様の付き合いがあるケースなら、友人が同行することもあります。

6.火葬

僧侶が同行する場合、火葬の前に読経してもらいます。その後、火葬が終わるまでの間、同行者(喪主・家族、親族)は控室やロビーで待ちましょう。

7.骨上げをする

火葬が終了した後、故人の遺骨を箸で骨壺におさめる“骨上げ”が行われます。

骨上げに箸が使われる理由は、「この世⇒あの世に“橋渡し”する」という意味があるからです。

さっきまで姿のあった故人が骨だけになった様子を見ると、本当にお辛いことでしょう。

でも、お骨になっても故人がこの世で過ごしていた事実は変わりません。故人への大切な想いを込めながら、お骨を骨壺に入れていきましょう。

骨上げについても順番がありますが、詳しくは係の方が説明してくださいます。

 

出棺から火葬までの疑問

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続いて、出棺から火葬までのよくある疑問をピックアップしてご説明します。

出棺のクラクションってどんな意味があるの?

出棺時、車のクラクションが鳴り響くシーンを目にしたことがある方も多いでしょう。

このクラクションは、「故人が旅立つ瞬間である」ことを表す合図的なもの、邪気を払う意味合いも込められています。

一方で、特に意味がなく、出棺の儀式の流れのひとつ、慣習的なものとして鳴らされているケースもあります。

最近は葬儀の形も多様化し、昔の流れにとらわれない進め方がされることもあります。ひっそりと出棺したい、住宅密集地で近隣に配慮したいという思いから、クラクションをあえて鳴らさないケースも増えています。

火葬には誰が同行するの?

一般的に火葬場に同行するのは、遺族、親族です。本来、親族以外の一般の参列者は火葬場まで同行しません。

ただし、故人との付き合いの深さによっては、遺族のご意向もふまえて親友などが一緒に出向くケースもあります。

火葬場までの交通手段は、自家用車やマイクロバス等です。当日、誰がどの車に乗るか混同しないように、事前に計画をしておくようにしましょう。

火葬場には何を持参する?

火葬場への持ち物は、位牌、遺影、火葬許可証などです。

火葬許可証は、死亡届を出したときに交付されるもので、これがないと火葬ができません。忘れないように、必ず持っていきましょう。

ご不安も多いかと思いますので、火葬場への持参物は私どもスタッフにお気軽にご相談ください。

火葬が終わるまでは控室やロビーで待機します。待っている間のために、お菓子や飲み物を持参する方もいます。火葬の時間帯によって飲食物の内容も変わってくるかとは思いますが、お昼時なら弁当が必要になるケースもあります。

火葬ってどのくらいの時間?

火葬が終わるまでの時間ですが、「火葬」「冷却」とあわせて60~90分ほどが一般的な目安です。ご遺体の身体の大きさ、年齢によって変わってきますが、大人は1時間以上、お子さんは1時間未満と想定しておくといいでしょう。

まとめ

故人を棺におさめてから火葬場へ移動するまでの流れを「出棺」といいます。火葬されて遺骨になる前に、故人のお姿を見られる最後の時間です。

故人と過ごした感謝の気持ちやお別れの想いを込めながら出棺をおこなえるように、一連の流れを頭に入れておくと安心です。

出棺の流れは、地域の風習によって異なる場合があります。地元に根付いた葬儀社に依頼することが大事です。

私どもは、ご遺族様が不安を感じられないように配慮しながら、段取りを進めてまいります。

「出棺の流れを知りたい」「火葬場への持ち物はどんなものが必要?」など、出棺の流れでご不安な点があれば、遠慮なくご相談ください。

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