生きているうちに、人生の振り返りと終わりに向けての整理をする“終活”。
「子どもに迷惑をかけたくない…」と自発的に行う親御さんも増えてきましたが、一方で、死後に向けての準備を深く考えていない親御さんも少なくありません。
近年では、終活に興味を持っていない親御さんに子どもから働きかけて、「親の終活」を共に行うケースもあります。
終活と聞くと、“死”と結び付いてしまい悲観的になりがちですが、しっかり行うことで大きなメリットが得られます。今回は、子どもが親に終活を勧めるメリットや具体的にやっておきたいポイントについてまとめましたので、親御さんの終活に興味をお持ちの方は是非お役立てください。
目次
親の終活を行うメリットについて
冒頭でもお伝えしましたが、終活には「死」のイメージを抱く方も多いでしょう。
けれども、実際に終活を行った方からは「終活のおかげで、これまでの人生を振り返ることができた」「今の生活を見直して暮らしやすくなった」というプラスの感想が多く聞こえてきます。
だからといって、終活をまったく考えていない親御さんに対して、終活に取り組むよう提案するのは難しいものですよね。
そこで、まずは終活によって得られるメリットについてご紹介します。
終活によって得られる3つのメリット
- 親の気持ちを優先した介護や葬儀ができる
- いざというときの子どもの負担を減らせる
- 親の預貯金など資産を把握できる
それぞれ詳しく解説します。
親の気持ちを優先した介護や葬儀ができる
終活で“もしものとき”を想定しておくことで、病気やケガの際に入院したい病院や介護が必要になったときの対応、希望の葬儀形式などを把握し、親の気持ちを優先することができます。
そういった事は必要になった時(病気をした時)に聞けば良いという考えの方もいるかもしれません。
けれども、病気が重くて意識がなくなったり、話せなくなったり(気管切開をしなければならない病気など)する場合もあります。そのような場合、延命治療のことなどについて前もって聞いておければ、少しでも本人の希望を叶えてあげられるかもしれません。
実際、親御さんが突然倒れたまま意識が戻らず、いろいろと聞いておきたいことがあったのに、話せないまま帰らぬ人になってしまった…と後悔している方も多くいます。
大切な親の命の終わりが急にやってくるのは、家族としてはとても辛いこと。しかし、命の終わりは本人や家族が決められるものでもありません。重い病気にかかってしまったときの対応について、本人の希望があるなら知っておき、それを叶えてあげたいものですよね。
また、自身が亡くなった後の対応について、葬儀形式や連絡範囲等の希望を持っている方も多いでしょう。終活の一環として親御さんに希望を聞いておけば、いざというときにその希望を優先して考えることができます。
いざというときの子どもの負担を減らせる
親と共に終活を考えることで、いざというときの子どもの負担を減らせます。
親が病気で終末期を迎えたとき、亡くなったときなどは、やらなければいけないことがたくさんあります。そのひとつが「遺品整理」です。
一口に遺品と言っても、「アパートの一室」と「間取りの広い戸建住宅」では片付ける分量もかなり違うでしょう。特に、長年住み続けていた家の場合、使わない物、不要な物などが溢れていることも…。自分ではどうにもできずに、お住まい丸ごと遺品整理を依頼して不用品処分を行う方もいますが、その場合、高額な費用が発生する可能性があります。
親の体力があるうちに、一緒に家の片付けをしておけば、親が大切にしていた物を思い出と共に引き継げるかもしれませんし、後々子どもにかかることになる負担を減らせる可能性もあります。
親の預貯金など資産を把握できる
親子とはいっても、預貯金については教え合わないですよね。銀行口座を複数持っていることも多く、子どもがすべてを把握するのは難しいでしょう。
終活によって、どの銀行に口座があるか、保険はどこに加入しているかなどを共有できます。
親の終活~具体的に何をやるべき?
次に、親の終活の際にやるべき事柄についてご紹介します。
入院、介護などについて聞いておく
年齢を重ねるとともに、病気になる確率が高まります。病気になったときに慌てないように、「入院したい病院」「介護になったときの希望」などを聞いておきましょう。
また、認知症になると症状が進んでいくうちに、難しい話ができなくなって、いろいろと確認できない状態になります。
親が元気なうちに、病気や介護のことを話し合っておくこともおすすめです。
葬儀について聞いておく
終活そのものを具体的に考えていない人でも、自分が死んだときのことを何となくイメージしている人は多いでしょう。
「ひっそりと葬儀をしてほしい」「お世話になった人をすべて呼んで盛大に見送ってほしい」など、大まかなイメージだけでも聞いておけると良いかもしれません。コンパクトな家族葬、お世話になった人をたくさん呼んで大きな葬儀、どちらにしても誰を呼んだ方がいいか、どこで葬儀をしたいかなどの希望も聞いておけると安心です。
相続に関しての意向を聞く
相続に関しては、遺言書がなければ、法定相続人が法律による割合で相続することになります。
「一人っ子」「兄弟2人だけ」という少人数の場合は揉め事も少ないかもしれませんが、以下のような状況の場合は、相続も複雑になるため注意が必要です。
- すでに亡くなっている兄弟がいる(その子どもが相続人に該当)
- 会ったことがない兄弟がいるようだ(親が過去に離婚している場合など)
上記のような場合、複雑な問題に発展する可能性があるため、遺言書を用意すると良いでしょう。
相続について、親自身に希望があるときは、効力のある遺言書を残してもらった方が安心できます。
更に詳しい終活の内容がわかる下記の記事も是非ご覧ください。
親に終活話をする際の注意ポイント
親に終活を勧めようと思っても、「なんと言えばいいのかわからない」という方ももちろんいますよね。何も考えずに終活話をしてしまうと、親御さんの気持ちを害してしまうことがあるかもしれません。
ここでは、親に終活を勧める際の注意ポイントを見ていきましょう。
無理やり終活を進めるのはNG
親が終活を行うことで大きなメリットを得られるからといって、無理やり進めるのはやめましょう。
現在広く知られるようになった終活ですが、冒頭にも記した通り、“死”を連想してしまう方も多いと思います。
親御さんにとっては、子どもの口から「終活」という言葉を聞くと、寂しく感じるかもしれません。ショックの度合いは人それぞれで、「少し寂しい」という程度ならまだしも、なかには「そんなことを言うなんて」と理解を示してくれないこともあるでしょう。
大きなショックを与えないためにも、「終活によって親御さんの気持ちを優先できる」という良い点を伝えつつ、一緒に考えてみてはいかがでしょうか。
終活の一環として、最近は「エンディングノート」を書く方が増えています。市販でも売っていますから、「一緒に書いてみよう」と思い出話をしながらまとめるのもいいかもしれないですね。
以下の記事では、エンディングノートに記載するべき10項目をご紹介しているので、ノート作成にお役立てください。
親を突然亡くした子どもの後悔として多いのが「もっといろんな話をしておけばよかった…」というもの。終活をきっかけに、これまで知らなかった話を耳にしたり、親との会話が増えたりしたというケースもあります。
終活を強制するのではなく、あくまでも親の気持ちを優先しつつ、親子で話しながら穏やかな気持ちで進めていってはいかがでしょうか。
自宅の整理は一緒にする
自宅の荷物整理は親子で一緒にすると良いでしょう。
親が急に病気になって亡くなり、遺品整理が大変で手つかずのまま…という話をよく耳にします。仮にスムーズに遺品整理できたとしても、親の大事なものを知らずに処分してしまうのは寂しい気がしますよね。
自宅を整理することでお家の中が片付いてすっきりし、暮らしやすくなることも多いため、お家のなかを住みやすくするイメージで、少しずついらない物を片付けてみてはいかがでしょうか。
まとめ~親が元気なうちに終活について話し合いたい
親が病気になって死期が迫ったときに終活の話をするのは、子どもにとっても話しづらいですよね。親にとっても、何だか悲しいことに感じるかもしれません。
“メリット”という言い方は適切ではないかもしれませんが、親が元気なうちなら親子で話しやすく、取り組みやすいのではないでしょうか。
親御さんのこれまでの人生を振り返りつつ、思い出話をしながら一緒に終活に取り組むことで、もしもの時(人生の最後、入院、葬儀)に親の気持ちを反映した対応がしすくなります。
また、高齢者の方のなかには、自分が亡くなったら身内だけで葬儀をしてほしいけれど、そのような葬儀がどんなものか想像できないため、事前に話を聞いてみたいという方もいると思います。「家族葬とはどんなものなのか」「費用はどのくらいかかるのか」など、葬儀についての疑問があれば、親子で葬儀会社の事前相談を利用することをおすすめします。
当社でも、葬儀に関して生前相談を承っております。資料請求なども行っているので、どうぞお気軽にお問い合わせください。
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