こんにちは。服部葬儀社 相談員の中道 剛です。
北海道では、2月28日に北海道知事による「新型コロナウイルス 緊急事態宣言」で、週末の外出自粛要請がありました。感染者数は3月15日現在北海道内で140名を超え、都道府県別では最多となっています。
依然不透明な新型コロナウイルス。その中でお葬式の参列や家族が新型コロナウイルスに感染した場合の対処はどのようにしたらよいのでしょうか?今回はこのあたりをお話しします。
目次
◆葬儀の参列の注意点
葬儀では複数の人が集まる場合も多く、特に高齢者や体に疾患を持っている方の重症化が懸念されているため、感染させず、感染されないように十分注意をしたうえでの行動が必要です。
・新型コロナウイルスの感染経路
無症状の感染者も多く存在するということで、健康と思われている方も注意が必要です。
現時点では主に感染経路は飛沫感染と接触感染で感染するといわれています。
飛沫感染
くしゃみや咳から出された つば を飛沫と呼びます。感染者から発せられた飛沫と一緒にウィルスも放出されて、他者がこれらを口や鼻より吸い込み感染するというものです。
接近状態での会話などからも感染のリスクがあるとして、マスクの着用を行い、手ではなく腕などで抑えた状態で咳やくしゃみをすることが推奨されています。
接触感染
感染者がくしゃみや咳を手で押さえた際にそのウィルスがついた手で、ドアノブや手すりなどに触れた場合にウィルスが付着します。これを未感染者が手で触れて感染するというものです。
直接感染者と接触がなくても感染がおこるため、施設側のアルコール消毒などが必要になりますが、効果的とされていることは、予防のため手洗いをしっかり行い、口からはもちろんですが、目の周りや目をこするなど粘膜からの感染を防ぐことも重要とされています。
空気感染
現在、空気感染は起こらないといわれていますが、3月15日現在、厚生労働省によると「閉鎖空間において近距離で多くの人と会話する等の一定の環境下であれば、咳やくしゃみ等がなくても感染を拡大させるリスクがある」とされています。
換気の悪い狭い空間で、多くの人が密集する環境下では気を付けなければなりませんね。
・葬儀の参列は大丈夫?
2020年2月25日に政府がとりまとめた「新型コロナウイルス感染症対策の基本方針」では、現時点で全国一律のイベント等の開催の自粛要請は行わないが、その必要性を改めて検討してください。という内容でした。
人の集まるお葬式とはいえ、お世話になった方であればできれば参列したいという方も多いことでしょう。
その際は、前項にある「飛沫感染」や「接触感染」に十分注意する必要があります。
葬儀を行う斎場側でも十分に配慮する必要があり、服部葬儀社では、スタッフの体調管理や感染防止対策を行っております。
◆新型コロナウイルスで亡くなった方の火葬
「墓地、埋葬等に関する法律」の第3条 では、
「埋葬又は火葬は、他の法令に別段の定があるものを除く外、死亡又は死産後24時間を経過した後でなければ、これを行つてはならない。但し、妊娠七箇月に満たない死産のときは、この限りでない。」とあり、24時間以内での火葬を法律で禁じていますが、例外として、
「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」では、
「都道府県知事により感染症の発生を予防し、又はそのまん延を防止するため必要があると認めるときは、当該感染症の病原体に汚染され、又は汚染された疑いがある死体の移動を制限し、又は禁止することができる。」とあります。
さらに「感染症又は新型インフルエンザ等感染症の病原体に汚染され、又は汚染された疑いがある死体は、二十四時間以内に火葬し、又は埋葬することができる。」とあります。
現時点では、新型コロナウイルスに感染したと確認されたご遺体は、「24時間以内の火葬が可能」となっており、他の重大な感染症のように「24時間以内に火葬しなければならない」という分類には入っていません。
◆家族が新型コロナウイルスで亡くなった場合
・葬儀社に依頼する
医師の診断で新型コロナウイルスと判断され亡くなった場合は、まず葬儀社に連絡をして亡くなった場所から自宅または斎場へ移動しなければなりません。
葬儀社によっては対応ができない場合があるので、連絡を行った際は、必ず新型コロナウイルスで亡くなったと事を伝えて、受け入れが可能かを確認します。(服部葬儀社では受け入れは可能です。)
対応可能な葬儀社は、消毒の体制や納体袋(ビニール製で密閉が可能な遺体用の袋)などを用いた対応策の準備が整っていると考えて良いでしょう。
・ご遺体が感染者の場合の感染は大丈夫?
感染されたご遺体は、納体袋(ビニール製で密閉可能)により密閉された状態で消毒を行い納棺します。そのため、ご遺体から参列者やご遺族への感染の危険性は低いといってよいでしょう。
しかしながら、密閉する前に接触した家族などは感染の可能性があるため、自己の体調はもちろんですが、感染元にならないように注意が必要です。
・葬儀のスタイルは一般葬?家族葬?
故人が新型コロナウイルスで亡くなった際の葬儀では多くの参列者を呼ぶ一般葬は躊躇する方も多いかもしれません。
心配な方には家族・親族のみで行う「家族葬」をおすすめします。とはいえ、故人が人とのつながりが多い方や、お付き合いの関係で一般葬を行う事が望ましいという方は、日を改めて「骨葬」という選択肢もあります。
また、感染のリスクを考えて、自宅で行う「自宅葬」を検討される場合、家族単位の少人数であれば問題ないと考えられます。ですが、多くの親族が集まる場合話は別で、狭く換気の悪い空間で葬儀を行う事によりクラスター感染のリスクが大幅に上がると考えられます。
葬儀式場で葬儀を行う場合は、安全のためひとまわり広い会場を選択することをおすすすめします。
まとめ
・葬儀への参列は多くの人と接触が行われる機会となり、「うつさない」ことと「うつされないこと」が等しく重要となります。
・ご遺体が感染していることがわかっている場合は対処方法が変わるため、事前に葬儀社に伝えるようにします。葬儀社によっては受け入れができない場合があります。
・故人が感染者であっても葬儀社によって適切な処置を行って納棺されていれば、故人からの感染の心配はほぼないと言っても良いでしょう。
・政府より、多くの方が参列する一般葬の自粛要請はありませんが、心配な方には家族、親族のみで行われる家族葬をおすすめします。参列者同士の感染を防ぐためにも葬儀場は人数に対して少しゆとりある広さのホールをおすすめします。
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