こんにちは。服部葬儀社 相談員の横尾です。
近親者が亡くなった場合に会社や学校で欠勤(欠席)扱いにならない忌引き休暇(学校の場合は忌引欠席)を利用することができる場合があります。
「慶弔(けいちょう)休暇」という名称は、多くの会社で使用される用語です。
今回は慶弔休暇の中でもある「忌引き休暇」を中心ご紹介いたします。
目次
◆慶弔休暇
慶弔休暇とは、お祝い事である「慶事」とお悔み事である「弔事」が合わさった呼び方です。慶事の休暇では、本人の結婚や妻の出産などがあげられますし、弔事では家族のお葬式をはじめ、年忌法要などが対象になる場合があります。
就業規則は、各会社よって異なります。「慶弔休暇」として制度が設けてある場合や、「特別休暇」という枠組みの中にお悔み事の「忌引き休暇」が入っている場合もあるようです。
また、忌引き休暇などは、従業員が申請することによってはじめて使えるようになります。従業員の権利ですので負い目を感じる必要はありません。直属の上司にしっかりと相談して会社のルールを把握しましょう。
◆忌引き休暇がない会社もある?
会社には「法定休暇」と「法定外休暇」があります。
法定休暇は、法律で定められており、年次有給休暇や育児休暇などがあげられます。これらに対して法定外休暇は、法律で定められていない休暇のため、各会社の裁量によって決められています。
慶事休暇や忌引き休暇などの制度に関しては、「法定外休暇」となるため、会社によっては制度がない場合があります。制度があるか無いかは会社に確認してみるとよいでしょう。
忌引き休暇制度が無い会社の場合は、有給休暇を申請して葬儀に参列するとよいかもしれませんね。
◆忌引き休暇日数の決まりは?
忌引き休暇の日数では、先にお話しした通り各会社の就業規則によって異なります。もちろん制度が無い場合もあります。
忌引休暇は、亡くなった方との続柄によっても日数が異なる場合が多くあります。また、忌引の期間中に休日が入る場合でも忌引き休暇としてカウントされる企業も多いようですので、こちらに関しても確認が必要です。
例として一般的な休暇日数です
・父母・配偶者または子・・・5~7日
・祖父母、配偶者の父母または兄弟・・・1~3日
一般的このようなイメージになります。祖父母との同居が、ある場合と無い場合でも日数が異なる事があります。会社によって異なるので確認するようにしましょう。
◆忌引き休暇申請のタイミングと手順
忌引き休暇を使用する場合は、まず直属の上司に連絡をしましょう。
亡くなって間もなくの場合では、葬儀の場所や日程が決まっていない場合があります。今現在わかる範囲で速やかに連絡を行い、忌引き休暇の使用に関してなど、確認をしておきましょう。
後に、詳細が決まった段階で改めて伝えるようにします。
伝える主な内容としては、
・故人との続柄
・通夜・葬儀の日時と場所
・休暇開始日と休暇終了日
・休暇中の緊急連絡先
ごく一般的な項目ですので、会社で取り決められている報告事項は、しっかりと確認しましょう。
特に故人のお名前や時間、場所が決定した場合には、間違いや聞き違いを防ぐためにFAXやメールなどの文章で送る事をおすすめします。
◆休暇申請には葬儀の証明が必要?
まず、忌引き休暇の申請の提出を会社に提出が必要ですが、有給休暇のように事前にわかる事は少ないので、事後の提出でも可能な場合があります。
忌引き休暇を申請する際には、会社の手続き上で故人との血縁関係や氏名などの葬儀があったことの証明が必要になる場合があります
多くの場合では、葬儀時に出される会葬礼状で証明とされます。
その他、以前より減ってはきましたが、葬儀社の発行で、葬儀があったとされる証明書が会社や学校で必要になる場合があります。
このような場合では、会社や学校で所定の書式の用紙がある場合があります。
◆忌引き休暇明けのご挨拶
結婚式などの休暇では、事前に予定がわかる場合では、あらかじめ上司や同僚に休暇をとる事を伝えることができますが、突如訪れるお葬式では、急な休暇をとることになります。
休暇をとることに決して負い目を感じる事はありませんが、少なからず同僚に負担がかかる事が予想されます。
お葬式も終わり、忌引休暇明けの初出社の際には、「おかげさまで無事葬儀を終える事ができました。忙しい中ご迷惑をおかけしました。」のようなご挨拶をいたしましょう。
とはいえ、決して悪いことをしていたわけではありませんが、関係者には感謝の気持ちを伝えましょう。
◆まとめ
・慶弔休暇とは、結婚式などの「慶事」と葬儀や年忌法要などの「弔事」が一緒になった言葉です。血縁者のお葬式では、会社によって休暇が取れる場合があります。
・慶弔休暇は、会社として法定外休暇に分類されるため、会社により制度がない場合があります。ある場合でも会社によって異なるので確認が必要です。
・忌引き休暇後の初出勤の際は、会社の皆様には丁寧に感謝の気持ちを伝えましょう。
ただし、後ろめたさを感じる事はありません。多くの従業員にもありうることなのですから。