終活で準備するエンディングノートは、書くべき項目と注意点を押さえておけば、お手持ちのノートを利用して、無料で作成することが可能です。 

 

しかし、エンディングノートは、書いてはいけないことや注意点もあるため、きちんとポイントを知っておかなくてはなりません。

 

そこで、無料で作成できるエンディングノートの書き方と注意点について、誰にでも分かりやすくご紹介しますので、終活を行う方はぜひご覧ください。

終活でエンディングノートを作成するべき5つの理由とは?

エンディングノートとは、個人情報や終活の取り組みを記録しておくノートのことをいい、次の5つの役割と目的を果たします。

 

    • 家族や周囲の負担を軽減できる
    • 介護・終末医療・最期の迎え方に関する要望を伝えられる
    • 終活の取り組みを記録できる
    • 家族や大切な人に向けて遺書を残せる
    • 将来設計や計画を見直す材料になる

 

つまり、エンディングノートを作成しておけば、万一のことがあった時はもちろん、大切な情報の備忘録や、将来の計画にも役立てることができます。

終活のエンディングノートへ書くこと10項目

エンディングノートには、必ず書くべき10項目があり、次の順序でまとめると、第三者にとっても見やすく仕上がります。

1.自分自身の情報
2.家系図・家族の連絡先
3.連絡先一覧表(親族・友人など)
4.介護・終末医療などに関すること
5.葬儀のこと
6.お墓のこと
7.年金・保険に関すること
8.財産・相続に関すること
9.ペットの情報
10.家族や大切な人へのメッセージ

① 自分自身の情報

エンディングノートで最重要となるのは、万一のことがあった際、個人を特定することや、連絡や手続きに必要なことを確認してサポートをするための個人情報です。

 

【基本情報】

  • 氏名
  • 生年月日
  • 住所
  • 本籍地
  • 血液型
  • 緊急連絡先(氏名・住所・電話・関係性)
  • 勤務先など緊急時に連絡するべき場所(名称・住所・電話)

 

【身分証明書】

  • マイナンバーカード(番号・保管場所)
  • 健康保険証(番号・保管場所)
  • 運転免許証(番号・保管場所)
  • パスポート(番号・保管場所)

 

【病気・体質に関すること】

  • 持病
  • 病歴
  • かかりつけの病院
  • 服用薬
  • アレルギー
  • 身体的な問題

 

【特徴】

  • 学歴・職歴
  • 趣味・特技
  • 好きな食べ物
  • 嫌いな食べ物

② 家系図・家族の連絡先

緊急連絡先に連絡がつかない場合や、万一の時に連絡をするべき家族や親族について、第三者でも一目で把握できるように、家系図と一覧表でまとめます。

 

  • 家系図(目安:甥や姪までの3親等ぐらい)
  • 家族の連絡先リスト(氏名・住所・電話・関係性)

 

エンディングノートに家系図を作成しておくと、遺産相続を検討する際や、家族や親族が相続人を把握する時などに活用できて便利です。

③ 連絡先一覧表(親族・友人など)

訃報連絡などで利用できるよう、エンディングノートへは、親族や友人、仕事の関係者などの「氏名・住所・連絡先・関係性」を一覧表にしてまとめましょう。

 

  • 親族
  • 友人・知人
  • 仕事関係
  • 参加している団体
  • 習い事などの加入先

④ 介護・終末医療などに関すること

介護や終末医療のほか、亡くなった場合のことを想定して、エンディングノートへは、最期の迎え方に関する希望までしっかりと記載しておきましょう。

 

  • 現在利用している介護サービス(名称・連絡先)
  • 希望する介護施設
  • 希望する介護人(家族の名前や介護士など)
  • 医療措置に関する判断をしてほしい人
  • 余命宣告の希望の有無
  • 緩和治療の希望の有無
  • 延命治療の希望の有無
  • 臓器提供の希望の有無
  • 最期を迎えたい場所(病院・介護施設・自宅・家族の家など)

 

なお、自分自身の介護・医療やケアの要望については、事前に「人生会議」を行って、家族や周囲の人たちへ伝えておくことがおすすめです。

出典:ACP 人生会議(厚生労働省・神戸大学)

 

最近の調査結果によると、一般国民で人生の最終段階における医療・ケアについて考えたことがある人は、わずか51.9%です。

出典:令和4年度 人生の最終段階における医療・ケアに関する意識調査の結果について(厚生労働省)

 

家族であっても、延命措置や最期の看取り方など、人の命に関係することを決定しなければならないのは負担が大きいため、終活では人生会議を行っておきましょう。

⑤ 葬儀のこと

葬儀に関しては、葬儀社が決まっているかどうかによって記入事項を変更し、書類の保管先やお葬式に関する内容まで、エンディングノートへ書いておきましょう。

 

【葬儀社が決まっている場合】

  • 葬儀社(企業名・担当者名・連絡先)
  • 葬儀プラン
  • 契約書類の保管先
  • 積み立て金の有無(満期の予定日)
  • 費用に関すること

 

【葬儀社が決まっていない場合】

  • 希望する葬儀社(企業名・連絡先)
  • 希望する葬儀プラン(一般葬・家族葬・一日葬・直葬など)
  • パンフレットや見積書などの保管先

 

【お葬式に関する内容】

  • 宗教
  • お付き合いのある宗教者(寺院などの名称・所在地・連絡先)
  • 遺影写真(保管場所)
  • お葬式への要望
  • 葬儀保険(企業名・連絡先・証券番号・書類の保管先)
  • 希望する喪主
  • 訃報連絡先リスト(名前・電話・関係性)

⑥ お墓のこと

お墓については、納骨先が決まっているかどうかによって、エンディングノートへの書き方を変更してください。

 

【納骨先が決まっている場合】

  • 納骨先(墓地名・住所・連絡先)
  • 場所(種類・区画番号など)
  • 契約者名や所有者
  • 契約書類などの保管先
  • 納骨の委託先(石材店や寺院などの名称・住所・連絡先)
  • 費用に関すること

 

【納骨先が決まっていない場合】

  • 希望する納骨先(墓地や霊園などの名称・所在地)
  • 希望するお墓の種類(墓石・納骨堂・樹木葬・永代供養墓・合祀墓など)
  • 委託先の石材店や寺院(名称・連絡先・担当者)

⑦ 年金・保険に関すること

年金に関しては「種類」を、保険に関しては「種類・企業名・証券番号」をそれぞれエンディングノートへ記入しましょう。

 

【年金関連】

  • 現在受給している年金
  • 加入年金(公的年金・企業年金)

 

【保険関連】

  • 生命保険・医療保険・入院保険
  • 個人年金保険
  • 火災保険・地震保険・家財保険
  • 自動車保険・バイク保険

 

【保管先】

  • 証券などの書類や印鑑の保存先

⑧ 財産・相続に関すること

遺産相続や死後においては、パソコンやスマートフォンなどのデジタルデータのトラブルが多いため、エンディングノートへの記入漏れがないようにご注意ください。

 

【財産】

  • 預貯金(銀行名・支店名)
  • 不動産(種類・用途・所在地・名義人)
  • 株式・債券・投資信託(証券会社名・支店名・種類)
  • 貸付金
  • 借入金
  • ローン
  • クレジット会社
  • ゴルフ会員権・リゾート会員権
  • 自動車・バイク
  • 家財(骨董品・美術品・貴金属など)

 

【デジタルデータ】

  • 電話やパソコンのログイン情報
  • メールアドレス
  • ネット銀行(銀行名・支店名)
  • 電子マネー(アプリ・パスワード)
  • 加入サービスや利用サイトとパスワード
  • SNSのIDとパスワード

 

【遺言書がある場合】

  • 遺言書の種類(自筆証書遺言・公正証書遺言・秘密証書遺言)
  • 保管場所

⑨ ペットについて

ペットについては、万一の時にも第三者がお世話がしやすいように、エンディングノートへ詳しい情報を書いておきます。

 

  • 名前
  • 呼び名
  • 品種
  • 生年月日
  • 好きな食べ物
  • 好きなこと・喜ぶこと
  • 嫌いなこと・怒ること
  • 病歴
  • かかりつけの動物病院
  • 加入保険の有無
  • 万一の時にお世話を頼みたい人

⑩ 家族や大切な人へのメッセージ

もしものことがあっても未練がないよう、エンディングノートへは、家族や大切な人へのメッセージもしっかりと記載しておきましょう。

 

それぞれの相手に対して、自分なりの言葉で、思い出・感謝の気持ち・お願い事などを自由に書いてください。

エンディングノートに関する注意点4つ

家系図の画像

エンディングノートは、問題を防いで後々までトラブルを回避できるよう、次の4つの注意点があります。

 

  • 預金口座の暗証番号を記入しない
  • 家族に保管場所を伝えておく
  • エンディングノートには法的効力がない
  • 完成後も定期的に見直す

預金口座の暗証番号を記入しない

犯罪やトラブルに巻き込まれないように、エンディングノートへは、預金口座の暗証番号を記入しないようにしましょう。

 

近年、特に高齢者は窃盗や詐欺などの犯罪に巻き込まれるケースが多いため、終活サービスを利用する際も被害に合わないよう、ご注意ください。

出典:高齢者の安全対策情報(警視庁)

 

なお、預金口座の暗証番号が分からなくても、遺産相続は可能です。さらに、相続前に医療費や葬儀費用のお金を引き出す方法もあります。

出典:遺産分割前の相続預金の払戻し制度(一般社団法人全国銀行協会)

家族に保管場所を伝えておく

エンディングノートは盗難や紛失に注意し、リビングや寝室など、家族が発見しやすい保管場所を決定のうえ、必ず存在を伝えておきましょう。

 

金庫や机などは犯罪に合いやすいほか、安全とはいえ、銀行の貸金庫に預けてしまうと緊急時に利用しにくいためご注意ください。

エンディングノートには法的効力がない

エンディングノートには法的効力がなく、たとえ希望や委託事項を書いても、強制力を持たないことを覚えておいてください。

 

遺産相続などを的確に実行するためには遺言書を作成する必要があり、「遺言は必要?相続が争続にならないために」の記事にて、詳しくご紹介しています。

完成後も定期的に見直す

エンディングノートは、常に最新情報へ更新しておくことが重要なため、作成後は定期的に見直すように心がけましょう。

 

また、家族や周囲の人たちが速やかに内容を確認して、希望を叶えてもらえるように、日頃からコミュニケーションを図っておくことも大切です。

まとめ:無料で作れる!終活で必要なエンディングノートの書き方と注意点

終活でエンディングノートを作成するべき理由と、書くべき内容や注意点についてご紹介しましたが、まとめると次のとおりです。

 

  • 終活で用意するエンディングノートは書くべき10項目の内容さえ分かっていれば、手持ちの大学ノートなどを利用して無料で作成できる。
  • エンディングノートは、万一の場合に家族や周囲の負担を軽減し、自分の医療や介護に関する要望を伝える役割があり、将来の計画づくりに役立つ。
  • エンディングノートは必ず家族と収納場所を共有し、預金口座の暗証番号を書かないことや法的効力がないこと、作成後は定期的に見直すことに注意する。

 

なお、余市町・後志地区・小樽市・札幌市へお住まいの方は、以下のサイトから自治体発行のエンディングノートを無料でダウンロードすることも可能です。

 

「エンディングノート ~あなたに届け、わたしの想い~」を作成しました(札幌法務局)

 

本記事を参考に、ペットの情報や、各項目で不足する項目を補足してお使いください。

 

また、終活に関しては、「終活とは?内容やメリットなど詳しく解説」「小樽市や余市町の方必見!一人暮らしの高齢者の注意点と対策方法|終活」の記事で役立つ情報をお届けしていますので、併せてご覧いただければ幸いです。

 

当社【服部葬儀社】では、葬儀に関して、資料請求やお見積を無料で承っています。生前の無料相談にも対応していますので、どうぞお気軽にお問い合わせください。