葬儀や法事のときに行う“焼香”について、やり方や意味があまり分からず、なんとなくやっている人も多いのではないでしょうか。

 

自分が参列する側なら周囲の様子をじっくりとチェックし、自分の番になったら真似ることもできますよね。

 

でも、遺族側の立場なら焼香の順番は先のため、やり方が分からないと不安です。葬儀場で動揺しないように事前にある程度の流れを知っておくと安心です。

 

今回の記事では、焼香の由来ややり方などについて詳しくお伝えしていきます。

 

 

焼香とはどんな意味がある?

まず、焼香の意味や行う理由について見ていきましょう。

 

お香の由来とは

葬儀の焼香で抹香を使ったり、仏壇やお墓の前で線香をあげたりと、今や日本の仏教において“お香”は欠かせないものですよね。これまでに一度は「お香」を焚いたことがあるという方も多いでしょう。

 

そんなお香の由来が気になりますよね。もともと、お香は仏教とともにインドから伝わってきた文化という説があります。

 

気温の高いインドでは、身体や衣類に臭いがつきやすく、その臭いを消す目的で「香」を使うのが人々の習慣として根付いていたようです。インドは香料の産地でもあり、臭いを消すという作用のほか、防腐作用もある“香”はかなり古くから身近なものだったようです。

 

また、生きている人のためにお香を使うのはもちろん、死者に対する宗教的な儀式内でもインドでは当然のように使われていました。そんなインドの「仏教・お香」という考え方は、海を渡って世界へと広まり、日本人も仏様に対してお香を使うようになってきました。

 

仏教の考え方では、「香り=仏様の食べ物」といわれています。生きている人が「香」を焚くことによって、大切な故人が喜んでくれるかと思うと、感慨深いものがありますね。

 

焼香を行うのはなぜ?

葬儀中に焼香をするのは「亡くなった人を偲ぶため」というイメージを持つ方も多いのではないでしょうか。確かに、焼香するときは故人の冥福を祈りますから、それもひとつの理由です。

 

ですが、葬儀における焼香には「身を清める」という意味合いもあります。邪気をはらって身も心も清らかな状態で葬儀をするという目的もあるといえるでしょう。

 

焼香によって煙と香りがゆらゆらと葬儀場全体に広がります。焼香による香りが参列者の心を穏やかに落ち着かせ、故人に対して清らかな心でお見送りできる…。焼香によって拝む人に清らかな心が生まれ、それが故人に伝わるのかもしれませんね。

 

 

抹香と線香の違い

焼香や抹香、線香…など、「香」という文字が使われている用語は何がどう違うのか分かりにくいですよね。仏教での焼香とはお香を焚くことを言い、「抹香を使うか・線香を使うか」がシーンごとに違います。

 

抹香

抹香とは、香木が粉末になったお香のこと。主に、葬儀や告別式などの儀式の際の焼香では「抹香」を使うのが一般的となっています。粉状の抹香をつまみ、それを香炉に落とすようにして焼香するのが作法です。

 

線香

木や葉を原料にして粉末状にし、それを細長く棒状に成形したのが線香です。線香は直接火をつけることができ、仏壇やお墓など、普段の生活でも日常的に使われています。また、通夜や法事などでは線香を焚くのが一般的です。

 

 

焼香の流れと作法

祭壇の前で焼香する女性の後ろ姿

焼香のやり方は、細かくいうと実は宗派で若干異なります。ただ、大きな手順はおおよそ一緒なので、一般的なやり方について頭に入れておくと安心感があります。

 

焼香のやり方は3種類ある

焼香のやり方は、以下の3種類に大別されます。

・席から立って歩いて焼香台まで行き、立ちながら焼香する「立礼焼香」

・席に座ったまま、お盆に入った「香炉・お香」が回されてくる「回し焼香」

・膝をつくように中腰で焼香台まで行き、再び座って焼香する「座礼焼香」

それぞれの大まかなやり方を見ていきましょう。

 

【立礼焼香】

一般的な葬儀場では立礼焼香が多く、次のようなやり方で進みます。

 

①自分の番がやってきたら席を立ちあがり周囲の人に軽く会釈し、祭壇前の焼香台まで進みます。

②遺族と遺影にも一礼します。

③右手(親指・人差し指・中指で)で抹香をつまみ、その手を額へ近づけるようにあげて(この動作を「押しいただく」といいます)、その抹香を香炉へとそっと入れていきます。

④焼香が終わったら合掌します。

⑤再び遺族に一礼し、自分の席に戻ります。

【回し焼香】

自宅で行われる葬儀は、スペース的に余裕がないことも多く、参列者が席に座ったまま、香炉が乗った台やお盆が順々に回されるスタイルがよく見られます。北海道の小規模なお葬式では、多くの場合回し焼香が用いられます。

 

お盆を受け取ったら膝の前に置き焼香しますが、スペースがないときは膝の上でも構いません。自分の席に座ったまま、遺影の方に一礼をして焼香します。終わったら合掌して次の人に渡しましょう。

【座礼焼香】

小規模の葬儀や畳敷きの和室などでは、座礼焼香が見られます。座礼焼香は、「立って移動するか、それとも座って移動するか」という違いだけで、手順は立礼焼香とほぼ同じです。

 

座礼初稿では、焼香台から席が近いときは膝を引きずるように進み、遠いときは座るスタイルに近い中腰で焼香台まで向かいます。

 

宗派で異なるのは焼香の回数・線香の本数

上記でお伝えしたように、遺族や遺影に向けての一礼、順番で焼香する点は、どの宗派でもだいたい同じです。

 

ただ焼香のときに、抹香を額へ押しあてるようにする(押しいただく)回数や、線香を使うときの本数や並べ方が宗派で異なります。

 

【抹香を使った焼香の宗派による違い】

だいたいの宗派は、指でつまんだ抹香を押しいただき香炉に落とす動作を「1~3回」行います。ただし、浄土真宗では抹香を額に押し当てるような動作は行いません。

 

また、浄土真宗には“真宗大谷派”と“本願寺派”があり、それぞれ異なる部分も多くあります。

 

各宗派の焼香作法

宗派 回数 動作
真言宗 3回 押しいただく
天台宗 決まりなし 1回または3回が多い 押しいただく
曹洞宗 2回 1度目のみ押しいただく
臨済宗 決まりなし 1回が多い 押しいただく
日蓮宗 決まりなし 3回が多い 押しいただく
浄土宗 決まりなし 1回または3回が多い 押しいただく
浄土真宗 本願寺派1回・真宗大谷派2回 押しいただかない

 

【線香の本数、線香の置き方も宗派で異なる】

線香の本数、香炉への置き方も宗派で異なります。

 

まず本数ですが、多くの宗派では1本、もしくは3本となっています。

 

線香での焼香のやり方は、

①遺族へ一礼する

②ろうそくから線香に火をつけ、手であおぐように火を消す

③火の消えた線香を香炉に立てる

④手を合わせて合掌する

以上が一般的な流れです。

 

ただ、浄土真宗の場合、線香は香炉には立てず、横に寝せるように置くのが作法です。香炉のサイズにもよりますが、1本の線香をそのまま香炉に寝せるとはみ出してしまうため、サイズに合わせるように折って寝せましょう。

 

 

まとめ~宗派関係なく、葬儀という儀式に対する心を持つことが大事

お伝えしたように、正式な焼香の回数や線香の本数などは、宗派ごとに細かな違いが見られます。しかも、浄土真宗のように同じ宗派なのに真宗大谷派と本願寺派では、ちょっとした違いがあることも。その全てを把握するのは難しいですよね。

 

作法が異なっては故人に失礼だろうか…と不安になるかもしれません。

 

でも、ご安心ください。

 

葬儀で焼香をすることは人生においてたびたびあることではなく、多くの方が「回数は合っているのだろうか?」「作法が違ったらどうしよう」と何かしら不安な気持ちを抱いています。大事なのは、気持ちを落ち着かせて葬儀に参列することです。

 

少しくらい宗派の作法と違っていても、故人のことを大切に思い礼拝しているのであれば、それは周囲の人にも伝わっているでしょう。

 

また最近は、葬儀の規模や進行の関係上、焼香の回数を1回と指示されるケースもあります。本来の決まりと違ったとしても、「焼香の意味」を知り、そのうえで焼香の瞬間に故人を思えていれば心穏やかな焼香につながっていくことでしょう。

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