こんにちは。服部葬儀社 相談員の中道 剛です。

 

仏教のお葬式が多い中、参列したお葬式が神式のお葬式の場合に仏教式の葬儀とあまりにも違い戸惑ってしまった。という事はありませんか?
作法なども大きく違うため自分の番がやってきた時にどのようにしたらよいか緊張してしまうものです。

今回は、神式のお葬式の作法なども含めてお話しさせていただきます。

 

 

◆神道とは

仏教よりもはるか古くから日本に存在する神道。つまり神社ですが、一説では縄文時代や弥生時代が起源とも考えられています。

神道には創始者というものは基本存在せず、木や山、水、火など、森羅万象に神が宿るとした古くから日本人にある信仰です。

 

奈良時代から神道と仏教は合わさり(神仏習合・神仏混淆)一つの信仰体系とされ、多くの神社とお寺が同じ敷地に建てられたりもしました。

その後、明治時代に入るとに国民統合をはかるために天皇を中心にした体制に変わるために「神仏分離」が行われ現在のようになりました。

 

また、神道でのお葬式とほぼ変わらないお葬式としてよく知られるところでは、「天理教」があります。こちらは江戸時代に「おやさま」と呼ばれる中山みきという方が教祖として開祖されたと言われています。

 

 

 

◆神道の葬儀の特徴とは

神道で行うお葬式は、「神葬祭」または「神式葬儀」とも呼ばれ、仏教式のお葬式とは異なり、葬儀の作法も大きく変わります。

仏教ではお線香などのお香を主に使用しますが、神道では一切使用しません。

 

 

・神饌(しんせん)

葬儀時の神式祭壇前には、神饌(しんせん)というお供えをいたします。

お供えする品目は、お米、お酒、お餅、海魚、川魚、野鳥、水鳥、海菜、野菜、お菓子、お塩、お水を基本としますが、北海道の多くの地域では、野鳥、水鳥などはほとんど使われず、昆布やイカの乾物など手に入りやすいものを使用する傾向にあります。

これら神饌は“三方(さんぽう)”に置かれており、神葬祭とすぐに判別できるでしょう。

 

・式の呼び方

※亡くなった直後:枕直しの儀(まくらなおしのぎ)

亡くなり安置された場所で行います。仏教式では「枕経」といわれます。

 

※一日目:通夜祭・遷霊祭(せんれいさい)

仏教式の通夜にあたります。この時に遷霊祭と呼ばれている神職が故人の魂を「霊璽」(れいじ:仏教式でいう位牌)に移します。この時は会場の電気は全て消します。

 

※二日目:葬場祭(仏教式では葬儀式にあたります)

     火葬祭

     埋葬祭

     帰家祭(北海道の多くの地域は火葬場から帰ってきた時に行います)

と続きます。

 

 

 

◆神葬祭を行う注意点と参列のマナー

 

・神棚封じ

神徒の家族が亡くなり神葬祭で葬儀を行う際の注意点としては、「神棚封じ」を行わなければなりません。
これは、神道にとって「死」は穢れと考えられているため、神棚に穢れが入らないように封をします。

仏教でお葬式を行う際でも自宅に神棚がある場合は、神棚封じを行わなければなりません。

神棚封じの方法としては、一枚の半紙を使い神棚の中央が隠れるように画鋲を使用して上部を貼り垂らします。神棚のすべてを覆い隠す必要はありません。半紙が無い場合にはA4のコピー用紙でも代用が可能です。

 

 

・神葬祭の参列のマナー

遺族や親族、そして参列する際のマナーとしての服装は仏教式の葬儀と同様ですが、数珠は使用しませんので必要ありません。神葬祭とは知らずに数珠を持参してしまった場合には、バックやポケットに入れて見えないようにしまっておきましょう。

 

・不祝儀袋の「香典」は使いません

仏教式では通常香典として遺族に渡しますが、神葬祭ではお香は使わないので不祝儀袋の表書きには「香典」とは記載せずに「玉串料」または「ご霊前」を使うようにしましょう。

 

 

 

◆玉串奉奠(たまぐしほうてん)

 

・玉串奉奠(たまぐしほうてん)とは

玉串は、榊(さかき)に紙垂(しで)がついており葬儀式の他にも神前結婚式や神社でのお祓いなどでも使われるので覚えのある方もおられるのかもしれません。

一般的に神前に玉串を捧げ拝礼することを「玉串奉奠(たまぐしほうてん)」または「玉串拝礼(たまぐしはいれい)」と呼ばれますが、神葬祭では玉串奉奠が使われます。
仏教式で例えると「焼香」のイメージですね。

 

 

・玉串奉奠の作法

玉串奉奠の作法は地域などで異なる場合がありますが、一般的な作法をご紹介します。
特に喪主などの遺族は最初に行うため、不安な方は作法の確認しておくと安心でしょう。

玉串奉奠は神職が最初に行います。次に喪主、遺族(家族)、親族と続き一般参列の順番になります。特に名前の呼び出しがない場合は、前に座っている方より順に進みます。

<玉串奉奠>
1.自分の順番になった時は、前に進み神職へ一礼をした後に神職やスタッフより玉串を受け取ります。
受け取る際の右手は上の方より枝(根本)の部分をつまむようにして、左手は下の方より葉の部分を添えるように受け取ります。

2.肘を少し上げ気味で、玉串を胸の高さ近くまで持ちあげた状態で祭壇前まで進みます。

 

3.祭壇前では、玉串を時計回りに90度まわします。葉の方を持っていた手は右手と同じ枝の部分を持ちなおして祈念します。

 

4.玉串をさらに時計回りに(180度)まわして、枝の部分を祭壇に向けてから両手で添えながら案(八足とも呼ばれる白木の台)に静かに置きます。

 

5.礼は二回 (礼はなるべく深くするようにしましょう)
➡音を立てない拍手(柏手・忍び手)を二回
➡ 礼を一回

 

6.神職・遺族に一礼をして席に戻ります。(参列者が多い場合は、席を立ち祭壇に向かうルートと戻るルートが決められることがあります)

 

 

 

まとめ

・神道は木や山、水、火など、森羅万象に神が宿るとした古くから日本人に伝わる信仰です。
神道で行う葬儀は「神葬祭」または「神式葬儀」と呼ばれます

 

・神葬祭に参列するマナーとして、不祝儀袋は「玉串料」または「ご霊前」を使用します。
また、数珠は使わないように注意しましょう。

 

・玉串奉奠の作法は全国ほぼ共通してはいますが、地域などで異なる事があります。特に喪主や遺族で不安な場合は作法の確認をおすすめします。

 

 

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