こんにちは。服部葬儀社 相談員の横尾です。

日本では、ほとんどのご遺体が火葬されてから埋葬されます。今回は火葬を行うために必要となる費用や火葬の流れについてご説明します。

火葬にかかる費用とは

火葬を行う際は火葬場を利用するため、施設の利用料を支払う必要があります。火葬場には民間の企業が運営する民営の施設と、市区町村などの自治体が運営する公営の施設があります。公営の火葬場と聞くと利用料金が統一されていて、どこの火葬場を利用しても一律の利用料がかかると思われるかもしれませんが、実は施設によって利用料は異なります。服部葬儀社がある余市町の火葬場利用料は以下の通りです。

故人様が余市町の住民だった場合(住民票が余市町にある場合)

15歳以上 10,000円
15歳以上6歳未満 7,500円
6歳未満 5,000円
妊娠12週以上の死胎 2,500円

参考)15歳以上で余市町に住民票がない場合 15,000円

余市町営斎場について詳しくは【北海道余市の火葬場】余市町営斎場のアクセスや利用料についてをご覧ください。

逝去してすぐに火葬を行うことはできる?

「墓地、埋葬等に関する法律」(昭和23年5月31日法律第48号)の第3条で、「埋葬又は火葬は、他の法令に別段の定があるものを除く外、死亡又は死産後24時間を経過した後でなければ、これを行つてはならない。」と定められているため、逝去後すぐに火葬を行うことはできず、死亡が確認されてから最短でも24時間が経過した後に火葬することになります。昔に比べて通夜や告別式を行わない「直葬」「火葬式」を選ぶ方も増えていますが、その場合も逝去後すぐに火葬することはできません。ただし、故人が特定の感染症を患っていた場合はこの限りではありません。

葬儀終了から火葬終了までの流れ

前述したように火葬を行う際は火葬場を利用します。葬儀が終わってから火葬終了までの流れは以下の通りです。

①葬儀会場から火葬場へ移動する
斎場・自宅・寺院などの葬儀会場から火葬場に移動して火葬を行います。宗教儀礼やセレモニーを行わない直葬や火葬式の場合は、ご遺体の安置場所から火葬場に移動して火葬を行います。 火葬場には遺族や親族など故人と近しい間柄の方が同行します。故人と最も関係性が深い場合が多い「喪主」は、ご遺体を搬送する霊柩車に同乗して移動する場合と、霊柩車に続く別の車に乗って移動する場合があります。

②火葬許可証を提出する
火葬場に到着したら事務室に火葬許可証を提出します。火葬後に、この火葬許可証に火葬済証明印が押されて返却されます。火葬済証明印が押された火葬許可証(通称:埋葬許可証)はお墓や納骨堂などに遺骨を納める際に必要となるため、保管場所を忘れたり紛失したりしないよう管理しましょう。

③読経・焼香を行う
告別室や火葬炉の前に移動し、位牌や遺影を飾ります。遺族や親戚が焼香を行います。僧侶が同行した場合読経も行いますが、近年では同行しないケースが増加しています。

④火葬
火葬を行う間、遺族や親族は施設内で待機します。余市町営斎場には親族が待機するためのロビーや和室が用意されており、無料で使用できます。
※2022年11月現在、余市町営斎場は建て替え工事中のためプレハブの控室が用意されており、10名以上が同行する場合は火葬開始後式場に戻ってお待ちいただいています。

⑤収骨
収骨の作法は地域によって異なり、一般的に東日本では全ての遺骨を骨壷に収める「全収骨」を行い、西日本では一部の遺骨を骨壷に収める「部分収骨」が行われます。 故人と関係が深い人から順に収骨を行います。2人1組で箸を使って下半身の骨から骨壷に収めます。

火葬開始から収骨までにかかる時間の目安

火葬終了後のお骨は高温となるため、お骨の温度が下がってから収骨を行います。お骨の温度が自然に下がるのを待つ施設と、機械を使ってお骨を冷却する施設があり、後者では収骨までの時間が短くなりますが、一般的には火葬開始から2時間〜2時間30分ほどで収骨となります。

収骨までの間は、火葬場内のロビーや待合室で待機します。前述した通り余市町営斎場ではロビーや和室を無料で利用することができますが、2022年11月現在は建て替え工事中のためプレハブの控室が用意されており、10名以上が同行する場合はいったん式場に戻ってお待ちいただくことになります。また、火葬場によっては待合室を利用するために利用料が必要となるため、事前に確認しておくことをおすすめします。

火葬の際の注意点

ペースメーカーをご利用になっていた方を火葬する場合は、火葬場に申請する必要があります。棺の中に好物や愛用品などの副葬品を納めて火葬することもできますが、何を入れても良いというわけではないため注意が必要です。利用する火葬場によって制限される副葬品は異なりますので、ホームページを見る、葬儀社に聞くなどして確認すると良いでしょう。

火葬の際の服装

ほとんどの場合、葬儀に参列した方が喪服を着用したまま火葬場に向かうため、火葬場では葬儀参列時の服装で過ごすことが一般的となっています。葬儀参列時の服装マナーは下記の通りです。

【男性】
・ブラックスーツ(略礼服)
・白無地のワイシャツ
・黒無地のネクタイ
・黒の革靴または合皮の靴(金具や装飾がないもの・ローファー、ウィングチップ、爬虫類皮や型押しは不可)
・黒のベルト
・コートを着用する場合は無地の黒が理想的ですが、濃いグレーや焦茶、濃紺などは問題なく着用できます。毛皮や皮、フェイクファーはマナー違反となります。

【女性】
・ブラックフォーマル(衿の詰まったデザインのもの。透ける素材、光る素材は避ける)や黒無地のワンピース、黒無地のスーツなど。
・黒無地の布製ハンドバッグ
・黒のストッキング
・黒のパンプス(装飾のないものでヒールの高さは3〜5cm程度。ピンヒール不可)
・コートを着用する場合は無地の黒が理想的ですが、濃いグレーや焦茶、濃紺などは問題なく着用できます。毛皮や皮、フェイクファーはマナー違反となります。
・一連のパールネックレス、結婚指輪は身につけても問題ありません。

※性別を問わず、光沢のある素材のものは身につけないように注意しましょう。

お骨の保管について

自宅に持ち帰ったご遺骨は、葬儀社が設置する後飾り祭壇に安置し、納骨までの間保管することが一般的です。後飾り祭壇には、遺影や位牌なども一緒に安置します。納骨の時期に決まりはありませんが、仏式葬儀の場合は四十九日法要にあわせて納骨を行うことが一般的です。近年ではお骨を納骨せずに散骨する方も増えていますが、その場合も散骨までの間は自宅で保管します。また、納骨や散骨をせずに、お骨を自宅で保管し続けることも不可能ではありません。場所をとることや、カビが生えるなどしてお骨の状態が悪くなることが心配な場合は、業者に依頼してお骨をパウダー状に粉骨し、真空パックにして保管するという方法もあります。粉骨し真空パックにすることでお骨の容量が減り、カビがはえる心配も軽減されます。

まとめ

・火葬を行う際は火葬場に利用料を支払います。火葬場には民間の企業が運営する民営の施設と、市区町村などの自治体が運営する公営の施設があり、施設によって利用料が異なります。

・法律によって逝去後24時間以内に火葬を行うことは禁止されているため(一部例外あり)、逝去後すぐに火葬を行うことはできません。

・火葬は「火葬場へ移動する」→「火葬許可証を提出する」→「読経・焼香を行う」→「火葬」→「収骨」という流れで行われます。

・葬儀に参列した方がそのまま火葬場に出向くことが一般的となっているため、火葬場では喪服を着用したまま過ごす方が大半となっています。