毎日学校で顔を合わせる同級生や、会社で一緒に仕事をする同僚のように、常に交流する機会がある場合と違い、大人の友人関係は接する機会が減るものです。「友人が亡くなったことを後で知った」というケースも珍しくないでしょう。

新聞のおくやみ欄で知ったり、共通の友人から後で連絡がきたりということもよくあるようです。

筆者の知人でも「友人が亡くなったことを後で知った」という実体験をお持ちの方がいました。しかも、亡くなってから2か月後に知ったとのこと。

新聞をとっていなかったことや、固定電話を解約して携帯電話しか持っておらず、遺族が携帯番号を知らなかったことなどが重なり、後日知る形となったようです。

このように亡くなったことを後で知った場合、

「とりあえず弔問すべき?」

「香典は包んでいいの?」

「お悔やみをどう伝えたら…」

という疑問を持つことが多いのではないでしょうか。

そこで今回は、友人や知人が亡くなったことを後で知ったときのお悔やみの方法や注意ポイントについて、詳しくお話していきます。

友人が亡くなったことを後で知ったケースとは?

自宅で通話しながらショックをうけたように顔を覆う女性の画像

まずは、友人が亡くなったことを後から知る背景について見ていきましょう。

 

後から知る背景もある

皆さんは、ご家族の友達について、どのくらいご存知でしょうか?

  • 何人かの友達の名前は分かるが、すべては把握していない
  • 家にも遊びに来たことがある友人なら、顔も名前も分かる
  • 家族の交友関係はあまり分からない

このように、さまざまなケースがありますよね。

家族を亡くして遺族となったとき、「故人の交友関係」「葬儀に来てくれた友人・葬儀には来なかった友人」などのすべてを把握できないこともあるでしょう。

しかも、年賀状のやり取りや、固定電話を持つ人が減っている近年は、故人の交友関係を知る手立てが少なくなっています。遺族も葬儀前後は手続き等で忙しく、故人の死を皆に知らせることはなかなか難しいでしょう。

そんな背景から、友達が亡くなったことを後で知ったケースもあるのです。

故人の家族からの喪中はがきで知ることも

昨今は家族葬を執り行うケースも多く、葬儀が終了してから、友人・知人に連絡するケースも増えています。

「故人が亡くなったこと・家族葬を行ったこと」を年末に近くなってから、喪中はがきでお知らせすることもあります。特に、年賀状のやり取りを毎年行っている場合は、ご遺族からの喪中はがきが届いて「亡くなったことを後で知った」ということもあるでしょう。

訃報を後で知ったときのお悔やみ方法

不祝儀袋、袱紗、紫色の数珠の画像

訃報を後で知ったとき、どんなお悔やみ方法があるのでしょうか。
主なお悔やみの方法は以下の2つです。

  • 故人の家に線香をあげに伺う
  • 現金書留で香典を送る

それぞれ詳しく解説します。

故人の家に線香をあげに伺う

直接、故人の家に伺って、遺族にお悔やみを伝える方法があります。香典や仏前にお供えするお菓子などを持っていくのが一般的です。

香典を包む場合は、袱紗に包んで持参し、失礼のないようにしましょう。

ただし近年では、遺族が香典の受け取りを辞退しているケースもあります。その場合は、香典の代わりにお花やお菓子を持参するといった方法もあります。

また、最も気をつけたいのが「事前の連絡」です。故人の家が分かるからといって、何の前触れもなく、突然伺うのはよくありません。遺族が不在だったり忙しかったりする可能性があり、マナー違反になってしまいます。

葬儀が終わってからも遺族は忙しい日々が続いています。弔問する際は、遺族側の都合に合わせ、指定された日時に出向くようにしましょう。

現金書留で香典を送る

直接、弔問できないときは、香典を送るという方法もあります。ただし、普通郵便はNGです。“現金”ですから現金書留で送りましょう。

現金書留を送る際は専用の封筒を使用しますが、封筒に現金だけを入れるのはマナー違反。不祝儀袋に現金を入れ、故人に対する気持ちや遺族への配慮などを書いた手紙を同封するのがマナーです。

友人の死を後日知ったら注意すること

Pointの文字と電球のイラスト

友人が亡くなったことを後で知ったとき、次のような点に注意しましょう。

弔問や香典の辞退がないか確認する

弔問や香典を辞退している場合もあります。

友人の死を知ると慌てますが、すぐに行動を起こさないことです。まずは、遺族の意向を確認してから「弔問」「香典を送る」などしましょう。

現代は家族葬が増えており、遺族からの手紙や喪中はがきで友人が亡くなったことを知るケースもあります。

その際、「香典を辞退する」といった旨が文章中に記載されていることもあるため、見落としがないようにしっかり読みましょう。

香典を包む際は相場を超えない金額で

香典を包むときは、相場の範囲内の金額にしましょう。一般的には「友人」なら5千円から1万円ほどが目安です。後日の弔問や現金書留にて、相場以上の金銭を受け取ると遺族も困惑します。お返しの問題もあるので相場を目安にしておくことが大事です。

故人の死因をこちらから聞くのは避ける

弔問や電話などで遺族と話をする際、故人の死因についてこちらから聞くのは避けましょう。

いくら故人と仲がよくても、遺族とは面識がないというケースも多いものですよね。初めてお会いする遺族に対し「なぜ亡くなったのか」と根掘り葉掘り聞くのは大変失礼なことですし、例え遺族と面識があっても、死因は尋ねないのがマナーです。

遺族側から死因を伝えられた場合は、遺族の悲しみに寄り添いつつも、話を深堀りして詮索するのは控えるべきです。

弔問するなら“長居”はしない

直接弔問する際、遺族の負担となる長居は禁物です。

「こんなことをよく話していた」「とても優しい人だった」といった故人とのエピソードは、遺族にとって興味深いこともあるかもしれません。ただし、こちらが一方的に話をしてしまい、長時間の滞在になっては遺族の負担になりますので、長居はしないよう気をつけましょう。

亡くなったことを後で知ったらどうすればいいのか?よくある疑問をご紹介

付箋に描かれている三つ並んだグリーンのはてなマーク

次に、友人が亡くなったことを後で知ったときによくある質問についてご紹介します。

Q1:どうしてもお悔やみを伝えるべきですか?

A 故人との関係性によって“お悔やみ”の方法を考えることが大切です。

一口に友人といっても様々な関係性があります。

  • 学生時代は仲が良かったが現在は年賀状だけのやり取り
  • 十数年前に会ったのを最後に今は疎遠

上記のような場合、特に香典を送るなどしなくてもよいかもしれません。

一方、「ときどき会って食事をしていた」など生前親しい関係性であれば、何かしらの方法でお悔やみを伝えるべきでしょう。

遠方で弔問するのが厳しいときは、香典やお菓子などをお送りするのもいいでしょう。

ただし、遺族側で香典や供物の受け取りを辞退している可能性もあるため、共通の知人などに確認してみることをおすすめします。

 

Q2:弔問する際はやっぱり喪服を着用すべきですか?

A お葬式に参列するわけではないため、喪服ではなく平服を着用しましょう。

男性はダークな色味で落ち着いた印象のビジネススーツやジャケット、スラックスを、女性は男性同様の色味のアンサンブルやワンピースを選びます。

以下の点にも注意して身なりを整えるとよいでしょう。

  • 派手な色味の洋服は着ない
  • カジュアル過ぎる洋服は着ない
  • 結婚指輪やパール以外のアクセサリーはつけない
  • 香水をつけない

パールのアクセサリーを身に着ける場合、ネックレスは一連のもの、イヤリングやピアスは一粒タイプの揺れないデザインで、小さめのものに限られます。

訪問の目的は“遺族に香典をお渡しすること”と“故人を偲ぶこと”。派手に着飾っていかないように注意しましょう。

まとめ

家族が亡くなって葬儀をする際、特に参列して欲しい友人・知人には、いち早く連絡をするでしょう。ただし、故人の交友関係が広ければ、すべての友人を把握することは難しくなるため、後から知らされるケースも珍しくありません。

家族葬が増えた背景もあり、故人の友人には後から連絡する遺族もいるでしょう。

友人が亡くなったことを後で知ったら、悲しみや驚き、さまざまな感情が湧いてくるものですが、弔問をするにしても、まずは遺族の意向を大事にしましょう。

故人宅に伺う際は、派手な色味の服装を避け、香水やアクセサリーなどにも気を配り、落ち着いた雰囲気の装いで訪問します。遺族の負担とならない滞在時間と話し方を心がけ、お悔やみの気持ちを伝えましょう。

 

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