こんにちは。服部葬儀社 相談員の中道 剛です。

 

家族葬という言葉は一般的になっている昨今ではありますが、みなさまは「一日葬」ってご存知ですか?

私たちにも問い合わせが入ってきており、最近耳にしたことがある方も多いかもしれません。

 

一日葬とは文字通り本当に一日だけのお葬式なのでしょうか?

今回は一日葬と二日葬の違いや一日葬を行うにあたっての注意点などのお話をします。

 

 

 

◆一日葬と二日葬とは

 

・一般的な二日葬の流れ

それでは家族葬で行われる一般的な二日葬の葬儀の流れを見てみましょう。

 

<一日目>

・ご臨終~ご遺体の搬送とご安置

・葬儀日程の取り決めと葬儀社と葬儀の打ち合わせ

 

<二日目>

・通夜式

 

<三日目>

・葬儀・告別式、出棺

・火葬場にて火葬

 

おおまかな目安として記述するとこのような流れです。一日目のご臨終から二日目の通夜に関しては短縮する場合もありますが、臨終の時間帯や友引の影響、そして葬儀規模が大きい場合などの様々な事情で、上記より通夜までの日数が1~3日程度日を空けることもあります。

 

 

 

・一般的な一日葬の流れ

今度は上記と同じと仮定して一日葬で葬儀の流れを見てみましょう。

 

<一日目>

・ご臨終~ご遺体の搬送とご安置

・葬儀日程の取り決めと葬儀社と葬儀の打ち合わせ

 

<二日目>

・通夜式(通夜式は行いません)

 

<三日目>

・葬儀・告別式、出棺

・火葬場にて火葬

 

 

・一日葬と二日葬の違い

上記の二日葬と一日葬を比較すると<二日目>の通夜式だけが無い事がわかります。

これにより、一日葬は一日でお葬式が終わる事ではないという事がご理解いただけると思います。

つまり二日葬は、通夜式があり、翌日に葬儀・告別式がありますが、一日葬でも、通夜式がある日(時間)は存在します。通夜式だけが無い状態となります。

 

空いてしまうこの二日目は、慌ただしい通夜式をあえて無くすることで家族だけの時間にしてゆっくりとお別れをするなど、時間の使い方は自由です。

時間的に都合がつけやすい家族だけの場合や少人数の場合では、<二日目を>葬儀・告別式にすることも可能かもしれません。

 

 

 

◆一日葬のメリットとは?

 

 

・故人との時をゆっくり過ごすことができる

通夜の晩は通夜式や会葬者の対応で喪主や遺族はとても忙しく故人とのお別れがしっかりできなかったという声があるのも事実です。

一日葬は通夜式が無いため、最後のお別れの前夜は故人とゆっくり過ごすことができます。

もちろん、前日より葬儀式場や控室などで過ごすことができる葬儀会社がほとんどです。

 

・家族(遺族)の負担が少ない

通夜式や通夜に参列される弔問者の対応などがほとんどないため、家族(遺族)の体力的、精神的な負担が軽減されます。

 

・一日葬の葬儀費用が変わる?

ほとんどの葬儀・告別式は9時または10時開式が多いため、二日葬と同じく葬儀・告別式の前日から式場や準備が必要です。葬儀会場を借りるという事では二日葬とほぼ変わりませんが、一日葬専用のプランや割引がある場合があるので、葬儀社に確認してみましょう。

 

 

 

◆一日葬を行う注意点やデメリットとは?

 

・寺院など宗教家の許諾が必要です。

家族の希望で一日葬を行いたいと考えても葬儀を依頼する寺院など宗教家が「一日葬はできません」と断られる場合があります。このような場合は、遺族は寺院など宗教家に葬儀の式次第(葬儀のやり方)をすべてお任せする事でもありますので、寺院などの意向に従うようにします。

 

 

・家族以外の方からの理解が必要

家族が一日葬で行う事に納得したとしても、親族の理解が必要になる場合もあります。

親族の中には、「葬儀を簡略しすぎ」だったり、「故人を粗末にしているのでは」などと理解を得られない場合があります。

ご心配な方は、親族の要となる方には一日葬を行う事について相談することをおすすめします。

 

 

 

・一般葬で一日葬は不向き

一般会葬者が多く来る一般葬では一日葬は不向きと思われます。

一般会葬者が参列する際に都合の良い時間は通夜の時間です。夜は日中仕事をしている方も都合がつきやすくなります。

一日葬が行われる告別式や葬儀は午前に行われることも多く参列したいけど時間的に参列できない。という方が多くなってくることでしょう。

 

 

・火葬するまでの時間

亡くなってから24時間以内は指定された感染症以外は火葬ができないという法律があります。

「家族だけで葬儀をするから最短の一日葬で行いたい」という方でも亡くなってから24時間が経たないと火葬ができませんので注意が必要です。

 

 

 

一日葬では通夜振舞いが必要ない?

二日葬の場合は、通夜が終ったあとは喪主によって「通夜振舞い」が行われます。これは喪主が参列していただいた方、北海道においては親族を中心に飲食を振る舞うというものですが、一日葬においては通夜が無いため行われない場合があります。

 

「一日葬は通夜式がある時間帯は家族でゆっくり過ごすことができる」と前述しました。家族だけの場合では、気を遣わずに自由に夕食をとる事もできます。

 

ただし、遠方にいる親族などは、前日から葬儀式場に到着して宿泊することがあります。このような場合は、通夜振舞いや朝食などを用意する必要があるでしょう。

 

 

 

まとめ

 

・一日葬とは、一日だけで行われる葬儀の形式ではありません。
二日葬では、通夜を行い翌日に葬儀・告別式、出棺と二日に渡って執り行われるため二日葬と呼ばれます。対して一日葬は通夜式のみが無い状態で所要日数は二日葬とほとんど変わりません。

 

・一日葬は通夜式が無いためその時間を自由に使う事ができ故人とゆっくりとした時間を過ごすことができます。

 

・現状では寺院などが一日葬に対応していない場合があり、断られる事があります。また、親族の中には、「簡略してはならない」と理解が得られない場合があるので事前に確認することをおすすめします。