こんにちは。服部葬儀社 相談員の中道 剛です。
2021年6月18日現在、北海道も政府発表の「緊急事態宣言」が6月20日に解除される事が決まり、翌日の6月21日より「まん延防止等充填処置」に切り替わる事が発表されました。
北海道の鈴木知事と札幌市の秋元市長の考えとしては、緊急事態宣言解除後でも強い処置が必要である。との考えによっては強い処置が発動されるのかもしれません。
ウイルスの変異により、感染が強くなったり、若年層の重症化だったりとまだまだ安心できない状況が続いています。多くの方は不安な毎日を過ごされていらっしゃることと思います。
このようななかで、新型コロナウイルスに感染して亡くなった方のお葬式は、現在どのようにされているのでしょうか。
今回は、新型コロナウイルス感染症で亡くなった方の現在のお葬式の状況と葬儀社側からみた理想のお葬式についてお話しをします。
目次
◆新型コロナウイルス陽性で亡くなった場合
新型コロナウイルスが感染拡大した当初には、厚生労働省が葬儀社向けに指針を出しました。これには、ご遺体を納体袋(ビニール製のご遺体全体を包む袋)に納めて十分にアルコール消毒を行えば通常通り葬儀が行える。というものでした。
ところが、感染が拡大してほとんどの火葬場では、遺族の立ち合いが認められず通常通りの葬儀はできない状況になりました。
新型コロナウイルス感染後、病院に入院した後に亡くなったとした場合はどのような順序になるのでしょうか。順を追ってご説明いたします。(各病院と各自治体で管理されている火葬場では異なる場合があります。)
・新型コロナウイルスに感染して入院
ほとんどの病院では、家族への感染リスクや家族が濃厚接触者である可能性もある事から病室内への立ち入りはできません。
・病院でご逝去
感染症ではなく病院で亡くなった場合には、葬儀社がお迎えに来るまでの間は、病室または霊安室にご安置され、遺族も付き添う事ができますが、新型コロナウイルス感染者の場合は、遺族は故人の近くにいく事もできません。もちろん危篤状態だとしても看取る事もできません。
・葬儀社に連絡 お迎えに来てもらう
まずご遺族より葬儀社に連絡を行います。
感染症ではない場合は、ご遺体を寝台車でご自宅や葬儀式場に移動しますが、新型コロナウイルス感染症の場合は、現在下記のように2種類に大別されると考えられます。
①火葬場の受け入れが可能な時間となるまで病院でご安置してそのまま火葬場に移動。
②すぐに病院よりご移動を行い、火葬場の受け入れ時間までの間、葬儀社が管理できる隔離された場所にご安置する。
注意が必要な点は、「全ての葬儀社が共通して新型コロナウイルス感染者に対して対応しているわけではない」という事です。
葬儀社により「新型コロナウイルス感染者の対応は一切行っていない」という葬儀社もあれば、①のように「病院から直接火葬場に移動する場合のみ対応する」という葬儀社もあります。
また、新型コロナウイルス感染者の対応は、葬儀社によっては法外な追加料金もあり、本州でニュースにもなりました。しっかりと誠意のある葬儀社選びもとても重要です。
【服部葬儀社では、①、②を含めて、すべての新型コロナウイルス感染者の葬儀を承っておりますのでご相談ください。】
・お葬式と火葬
上記にある通り、新型コロナウイルスに感染されていた方は、可能な限り速やかな火葬(24時間以内)が求められています。(感染されていない方は亡くなってから24時間以内の火葬は法律で禁じられています)
葬儀どころか遺族は故人とのお別れや顔を見ることもできません。
次に故人と会う時は、火葬を終えたお骨だけ。というとても悲しい状況になってしまっているのが現状です。
多くの火葬場の現状では、遺族が火葬後でお骨を拾う事がほとんどありません。火葬後の収骨は、火葬場の職員(葬儀社スタッフが加わる場合もあります)が代わりにお骨を骨箱に納めます。受け渡しに関しても駐車場で待っている遺族に渡す場合や、遺族が濃厚接触者で感染のPCR検査待ちで自宅を出られない事情がある場合は、代わりの親族や葬儀社スタッフが自宅まで届けたりする場合もあります。
◆新型コロナウイルスで夫を亡くした奥様の声
上記のように、新型コロナウイルスに感染後に亡くなり、一度も顔を見ないまま火葬されてしまう。とてもつらい事ではありますが、今後も変わる事はなさそうです。
お葬式には家族以外に対しての対外的な部分ももちろんありますが、本来の葬儀の目的の一つとして、遺族がしっかりとお別れすることで一つの「区切り」をつけて前に進まなくてはなりません。
そのための「お葬式」は遺族の心のケアのひとつでもあるのです。
先日70代の夫を新型コロナウイルス感染症で亡くされたある奥様のお話しを要約して紹介します。
「夫が自宅から病院に運ばれてから次に会ったのは小さな骨箱に入った姿でした。改めて葬儀の考えもありましたが、その時はこのような状況下で高齢の親戚も呼ぶことをためらい何も行いませんでした。
時間が経つにつれ、社交的な夫が誰にも知られずこの世から突然消されたようで心が痛むと同時に罪悪感すらありました。後悔と言えば、お経のひとつもあげてなかった事です。」
この方は、ご提案をさせていただき、後日に近い親族のみと一緒に改めてお骨でお葬式をしました。
親族や故人の知人は、コロナ禍という事でお葬式をあげなかったことに対して、ある程度の理解は得られると思いますが、問題は、「なにもしてあげることができなかった。」という遺族の心情だと感じました。
◆火葬が終わった方のお葬式「骨葬」
約一年半続いている新型コロナウイルス感染症。この中で家族を亡くしてお別れをしっかりできないまま火葬に至った遺族は、現在どのようにしているのでしょうか?
・骨葬とは
現実にお骨だけ帰ってきてそのまま終わりにしているご遺族もおりますが、急激に増えていることは、祭壇に柩(ご遺体)の代りに火葬が終わったお骨での葬儀「骨葬」が増えています。今では新型コロナ感染症で亡くなった方では一般的になりつつあるといっても過言ではありません。
函館周辺の一部地域では、以前よりこの「骨葬」を行っています。
こんな時期だからといって、家族だけや近い親族で行う方、知人を呼んでの一般葬も行っています。
骨葬は、できれば49日以内に行われることをおすすめしますが、火葬後すぐに骨葬を行わなければならないという事はありません。
骨葬の日程はある程度遺族の希望で行えるので一般葬を行う場合では、多くの方に参列いただけるようにと、土曜日や日曜日を選んで骨葬を行う事もできます。
・多く会葬する一般葬って大丈夫?
え?多くの人が来る一般葬はさすがに「密」になってダメなのでは?という方もいらっしゃることかと思いますが、今は【随時焼香】というコロナ禍特有のお葬式スタイルを行う事ができます。
これは、「18時からお通夜だとした場合に<随時焼香 16時半~18時>」とするもので、北海道では新聞のおくやみ欄に記載が可能です。
上記の場合の随時焼香のルールとしては、
○どなたでも会葬は可能ですが、会葬は16時半~18時までの間としてください。
○18時からの式は式場にて親族のみで行います。一般の方はご遠慮ください。
という意味になります。
一般の会葬者は、式に参列はできませんが、焼香などはもちろんできますし、遺族にあいさつをしたり香典をお渡ししたりなどはもちろん可能です。
この方法により、多くの方が来たとしても「密」になる事はほとんどありません。さらに人の集まりやすい葬儀式場だからこそ感染対策をしっかりと行っているところがほとんどです。
もちろん服部葬儀社も感染対策は徹底的に行っています。
・骨葬の注意点
骨葬を行うにあったっての注意点としては、遺族は濃厚接触者にあたる場合があるので、その際は保健所に相談して検査を受け、陰性と判断された後に骨葬を行うべきでしょう。
コロナ禍での状況は移り変わりがとても激しいので、あらためて専門家である葬儀社にしっかりと相談をしましょう。
服部葬儀社では、お葬式に関する相談を受け付けておりますし、その時、その状況にあった最善のお葬式を提案することができますので安心してお問合せ下さい。
まとめ
・新型コロナウイルスの感染が陽性であった場合で入院した場合は、基本会う事ができません。さらに亡くなってしまった場合も故人との対面ができないまま火葬場で火葬され、基本面会はできません。
・新型コロナウイルスに感染後に葬儀どころか対面することもできず、次に会う時はお骨になっている状態です。遺族には故人に何もしてあげられなかった後悔や罪悪感などが付きまという事があります。
・火葬前に葬儀はできない状況であっても、火葬後に行う「骨葬」という方法がります。
また、コロナ禍で新たに生まれた「随時焼香」という新しいお葬式のスタイルは、「密」になりにくいお葬式です。
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